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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
『土の賢者』編 第4章
70/233

3 対面



 ズシンッ⋯⋯と、洞窟全体が揺れた⋯⋯ような気がした。が、


「い⋯⋯てええええええ!!!!」


 眼前の岩には(わず)かに(ひび)ができただけで、他に大した変化は見られなかった。揺れたのは洞窟ではなく、自分の身体だったのかもしれない。


「うああ、あぁ⋯⋯ああああ⋯⋯ぁ」


 俺はあまりの激痛に右腕を左手で(さす)りながら、地面に倒れ伏す。もう動きたくない。帰りたくなってきた⋯⋯。


「く、そが⋯⋯!」


 それでもなんとか立ち上がり、背負っていた木刀を左手に握り、構える。右腕は持ってきたエリシャのお守りでそのうち回復することを(いの)ろう。


 岩にできた罅に木刀を無理矢理差し込む。涙と汗で目の前がぼやけているが、そんなことは気にしてられない。


(シルフ、頼む)

(まかせろ!)


 小さな罅から、どんどん亀裂(きれつ)が広がっていく。⋯⋯。


(⋯⋯ていうか、コルトの時みたいに木刀を投げれば良かったのでは?)

(⋯⋯⋯⋯。よし、一気にいくぞ!)

「無視された!?」


 などと言っているうちに、右腕の感覚が本来のものに戻ってきた。恐らくこれでお守りが1つ破損しただろう。⋯⋯残りはあと1つか。



 ついに岩が砕け散り、先の光景があらわになった。


(まあでも、翔太が片腕を捧げた意味はあったと思うぞ)

(?)


 それはどういう⋯⋯?



〈なんてったって、いつもより神性を2割増しにしといたからね!〉



「おお⋯⋯すげぇ」


 よくわかんないけど。


「その身に余る神性なら、()()()にも手が届くかもな」


 現界したシルフが指をさした先を見ると⋯⋯



「むむ、早かったネ。もうちょっと遅れるものかと思ってたヨ」


 土の大精霊チャイドが宙に浮いて、言葉とは裏腹に悠然(ゆうぜん)とこちらを見下ろしている。


「し、翔太⋯⋯?」


 チャイドの下にはコレットがいて、既にボロボロだった。


「な、なんでここに?」

「いやー、あいつから果たし状を貰っちゃって⋯⋯」


 はははっと、あえて余裕ぶっておく。


「あと、それがなくてもコレットのために何かしたかったんだよ」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


 彼女が複雑な表情を浮かべている。


「やっぱり⋯⋯翔太は強いわね。(あたし)とは大違いで⋯⋯」

「⋯⋯いや、そんなことはないよ」


 それ以上かける言葉が見つからず、俺はコレットのすぐ隣に瞬間移動する。


「お話は終わっタ?」


 そう言いつつ、頭上のチャイドは既に臨戦態勢だ。⋯⋯なら、最後に一言。


「こ、コレット!」


 俺は彼女の目をしっかりと見据えて話す。⋯⋯コミュ障で緊張するけど。


「俺は別に物語の主人公みたいな境遇に酔ってるだけで、強くはないんだ⋯⋯だから、背中を押してほしい」


 言い終わると同時に、俺はチャイドの方に向き直る。⋯⋯頭上からくるオーラに足がすくみそうになる。まあ、なんとかするしかないんだけど。


「多分終わりました! さあ来いや!!」


 木刀を両手で握りしめる。「こんな棒きれでなにができる?」なんて考えはとっくの昔に捨ててある。


「はぁ⋯⋯仕方ないわね」


 ぴとっと背中に温かな感触が宿る。後ろの彼女は「これじゃあどっちが助けに来たのかわからないじゃない」と(つぶや)いたのち、


「私がサポートするから、翔太はどんどん突っ込んで行ってね。⋯⋯さあ、行くわよ!!」


 俺を背中から激励(げきれい)した。



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


あと2回ぐらいで決着を着ける予定です。

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