4 賑やかだなぁ
今回は魔王回です。
翔太が式典のために世界各地を飛び回っていた頃⋯⋯。
「⋯⋯だから、何度言えばわかるんですか!」
俺の企画書を見て、腹心の部下であるギムギスは頭を抱えている。
「ええ!? 言われた通りにしたのに!?」
俺はあえてわざとらしく衝撃を受けたような口調で話す。
「どこがですか! 改善ならぬ改悪ですよこれは! なんですか綿菓子無料配布って!」
「いや、ほら⋯⋯祭りの屋台なら綿菓子があって然るべきでしょ?」
「はぁ⋯⋯なら、屋台形式にするんですか? ⋯⋯それとも、展示会風にするんですか?」
さて、どうしたものか。
「うーむ、俺の作った魔道具を見せびらかしたいっちゃあたいけど⋯⋯せっかくの祭りだからなあ⋯⋯」
今、俺達魔王軍は地の勇者着任式に向けて準備をしている。
式と言えば聞こえはいいが、まあ実際のところ、特に関わりのない人々にとっては数年に1度の豪華な祭りのようなものだ。
「上流階級の皆様に俺の凄さを見せつけるか⋯⋯沢山の人に俺のフレンドリーな性格を知らしめるか」
これは迷うな。
「ようするに、魔王様が作った自慢の魔道具で貴族や城に仕えている者から信頼を獲得するか、いかにも『祭りの屋台』というものを作って庶民の方々から信頼を獲得するか⋯⋯ということですね?」
「おう」
夏蓮同様すっかり出演回数が減ってしまっていた俺達魔王軍だが、今一度作品タイトルを思い出してほしい⋯⋯⋯⋯うん、最終目標は遊園地制作だね。
ということで、遊園地を作るにも色々と障害がある。その1つが、まあ⋯⋯⋯⋯⋯⋯俺達の印象ってやつだ。未だに魔王軍イコール悪の象徴ってイメージだからな、この国全体としては。
「ふうむ⋯⋯一昔前なら魔道具の展示会を推していたであろう私ですが⋯⋯今の時代、身分が上の者だけの声が大きいわけでもありませんしね⋯⋯こればっかりは、魔王様に委ねるべき案件でしょう」
「ええー」
自信がないからギムギスに頼ったのに⋯⋯どうするべきか。
まあ、答えは初めから決まっているんだが。
「じゃ、屋台形式にするわ。利益よりも、一人一人へのサービスの質の良さを優先するってことで」
「ええ、それがよろしいかと」
よし、ギムギスの許可も降りたことだし、本格的に準備をするとしようか。
「メニューは何がいいかな〜、やっぱ食べ歩きできるものじゃないとなー。あ、翔太達にも手伝わせよう」
ここからが魔王の凄さの見せどころってな!
式典まで残り数日、俺は久しぶりに、この胸が高鳴っていることに気がついた。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
今回は短くてすみません。今忙しくてですね……。
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