0 前夜
コレットと出会って、明日で1週間になる。その間にも他愛のないやり取りを周りからアドバイスをもらいながらしていた。⋯⋯俺は社会不適合者か。
そして、俺は今、いつも通り真っ白な世界にいる。右も左も、床も天も白一色の、見慣れた世界だ。
「いよいよ明日だねー」
いつも通りそこにいる彼女が、気楽な調子で話しかけてきた。⋯⋯俺は地味に緊張してきてるんだが。
「⋯⋯そうっすね」
「あれ? もしかして、緊張してる?」
「⋯⋯してますけどなにか?」
「なんで喧嘩腰なの」
はははっと笑ってくれる時空龍。少し、緊張が和らいできた。
「大丈夫だよ、翔太君には私がついてるんだから」
「うーん⋯⋯それはわかってますけど⋯⋯相手は2人ですし」
説明を受けた時から思っていたことだが、2対1とか卑怯じゃね? ⋯⋯まあこっちにも一心同体なシルフがいるけどさ。
「大丈夫だって! 私とシルフを合わせれば3対2じゃん?」
「お、おお⋯⋯」
「まあ私は参加できないんだけどね〜」
「ですよねー」
知ってた。彼女がいれば、途端にヌルゲーと化すんだが⋯⋯。こんな調子でも異世界の最高神ですし。
「そうはいっても、勝機はあるんでしょ?」
「ええ、まあ、たぶん、恐らく⋯⋯」
「⋯⋯そんなに自信ないの?」
「体力勝負なところがありますからね⋯⋯」
事前に伝えられた作戦じゃあ、相手に隙ができるまでただひたすら攻撃を避け続けるという単純かつ厳しいものとなっている。
「やっぱりそうなったんだね〜」
「と、言いますと⋯⋯もしかして改善策かなにかがあるんすか?」
特に期待せず聞いてみる。流石に俺の基礎スペックを改善できるなんて―――
「うん、もちろんだよ」
「ええ!? マジで!?」
「ひゃっ! う、うん。⋯⋯ていうか、私を誰だと思ってるの?」
⋯⋯しまった。嬉しすぎて身を乗り出してしまった。ここは冗談を言って、誤魔化すか。
「誰って⋯⋯馴れ馴れしい上によくくっついて―――」
「ああーはいはい、それは自重しないから我慢してね」
「わかればいいんですよ、わかれ⋯⋯自重してくんないのね!?」
「うん、慣れてくれるまでやめないよ?」
「慣れてもくっつくでしょ⋯⋯」
「もちろん!」
「⋯⋯ううーむ」
というか、慣れたら慣れたで色々と終わってしまっている気がする。
「それで、改善策とやらはどういったものなんですか?」
気を取り直して、肝心なことを時空龍に聞いてみると、
「ああ、それなら簡単だよ」
思えば、ここから始まったのかもしれない。
「時空龍の神格を翔太君に渡すだけだから」
俺の、『調停者』としての物語が。
今回短くてすみません。
でもとりあえず、ここまでお読みいただきありがとうございます!
感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。




