23 キッカ姉ちゃん先生
あらすじ。
久しぶりに会った姉貴分がなんか担任にクラスチェンジしてた。
あらすじおわり。
「4組の担任が精神病で入院したのは知ってるな? 俺が代わりに4組につくことになったから、7組には新しい担任がつくことになった。それが井上菊花先生だ」
元担任がキッカ姉が新担任になった経緯を説明した。
私のクラス、7組の元担任はスキンヘッドのいかつい教師だ。あだ名は組長。見た目通りとても怖い。学年主任と兼任で、1年の中では最も恐れられている数学教師だ。その担任がいるせいか、この7組は1年の中では最も大人しいクラスだった。
うん、学級崩壊したヤンキーの巣窟4組の担当には適任だ。だがその分、7組のストッパーがいなくなるわけで……
「オイオイ、こんな大人しそうな姉ちゃんでこの学級の担任が務まるのかよ」
自称うちのクラスで一番イカれた危ない男、リーゼントの東村くんがなんかいきなりキッカ姉に突っ掛かってた。お前、スキンヘッド先生のときにそれやって痛い目に遭ったのにまだ懲りてないのか。毎回やる気かそのイベント。
東村は足を机に放り投げ、偉そうに座っている。キッカ姉は笑顔を崩さずにあけすけと言った。
「足を机から下ろしましょう。行儀が悪いわよ?」
「ああ゛ん?下ろさねーよ。誰に向かって口聞いてるんだこのアマ」
おい、お前こそ誰に口聞いてるのか分かってるのか東村。いますぐその態度をやめろ。あ、キッカ姉が近づいてくる。やばい。
「あーん、ンダてめぇ……」
東村が言い終わる前にキッカ姉が彼の投げ出した足首をつかみ持ち上げ……
「うおわはっ!」
がたたん!
不安定な姿勢になった東村は椅子を滑らせ、派手な音を立ててこけた……いやこけてない!なんとキッカ姉は片手で彼の足首を持ち上げ、逆さずりにしている。180cm近くある男子高校生を片手で。彼の立派なリーゼントが教室の床をなめた。
「ほら、行儀が悪い足はこうなるわよ?」
キッカ姉は笑顔のまま言った。こええええ!
「や、やめ、下ろせ!下ろせこら!」
「ん?そんなにこのまま手を離して欲しいの?」
このまま手を離したら脳天直撃コースである。東村は手を地面につき、無様な逆立ちの格好をして懇願した。
「ちょ、タンマ!悪かった!ゆっくり下ろしてくれ!いや、下ろしてください!」
そんな情けない東村を尻目に、元担任のスキンヘッド先生が説明した。
「ちなみに井上先生は元自衛隊でもある。彼女には厳しく指導するように言っているから、くれぐれも悪いことをしないようにな」
うん、キッカ姉ちゃんは元自衛隊なんだよ。60kgの荷物持って10kmランニングしてもケロッとしてる化け物なんだ。東村よ。その人はまだ今は遊んでいるだけだが、命が惜しくなければくれぐれも本気で怒らせないようにな。
東村を撃破したキッカ姉ちゃんに何故か教室から拍手があがる。彼女は教壇に戻る際に私を見て、ぐっとサムズアップしてきた。意訳すると、「よしこちゃん、私頑張るからね!」的な意味だろうか。全く、我が姉貴分ながらかわいい人だ。私もサムズアップで返しておいた。7組は今後も平穏が続きそうだ。
菊花さんの担当教科は英語です。彼女は思いきり肉体派ですが、欠員の都合上と体育教師の倍率の高さからそうなりました。なので特別英語が得意なわけではなく、TOIECで600点取る程度の実力です。
あと東村くんはテンプレ不良が好きなだけで、不良行為はあんまりしてません。ただ、不良っぽい絡みがうざくて痛い子なので可哀想な目で見られてます。




