6/6
百合子とマミ
この街にいる“プレイヤー”の数は五人。その内、百合子とマミを除く三人はこの“ゲーム”が始まった四年前からずっとこの街にいることになっている。通常なら様々な地を巡るのがこの“ゲーム”の醍醐味なのだが、四年も居続けている三人についての情報はまだ無い。何らかの職業や学業に就いているなら、情報はとっくに開示されている筈だし、何もせずにただ街に居るだけというのは────怪しい。
「今のところ、その三人については“ゲーム”内の名前と年齢以外は分からないのよね?」
「うん…初期設定から何の変更届けも出されてないし、そのままだと思うよぉ」
あの人の“プレイヤー”情報をやっと見つけ出し、“ゲーム”に参加してこの街まで来たものの、前と何ら変わらぬ情報しか持っていない…。百合子は膝を抱えた。
そんな百合子を見て、オロオロし出したマミに優しく微笑むと、「ご飯にしましょうか」と百合子は立ち上がった。
冷蔵庫からケーキとフルーツを取り出すと、マミの前に置く。黒猫には猫用の缶詰を開けて皿に出す。
目を輝かせているマミの横に座ると、「どうぞ」と差し出した。
「いっただっきまぁーす!!」
元気良く口いっぱいにケーキを頬張るマミを見て、百合子は心が和らいだ。




