この子達は私が守る。
家族が壊れて十二年。
あの時のおじさんが今の父親
母親もあの時と変わってしまった。
妹達にも辛くあたり、働きもしない。
幸い妹達には、手を上げないように守ることが出来ている。
この子達だけでも守りたい。
私の生きる意味は、それだけ。
十五歳になってバイトを始めた。
三人であの家を出るのが私の、今は三人の夢。
妹達が一六歳になったら家を出ないか聞こうと思っていた。
出ると言ったらすぐ出れるようにお金を貯めていたかった。
でも二人が十四歳の時。
いつもの様に罵倒され、手を上げられながらバイト代を奪われた私を見て初めて妹達が見て言った。
「お姉ちゃん三人でアイツら居ない所で暮らそう。お姉ちゃんが可哀そう」
「お姉ちゃんが一生懸命バイトしたお金をあの人達が好きに使うなんてヤダ」
二人が泣きながら言ってきた。
嬉しかった。
私の為に泣いてくれるのが
それからは、私の夢が三人の夢に変わった。
バイト代は元々奪われると思っていたから少なく封筒に入れていた事
二人が16歳になったら家を出ないか聞こうとした事
一番怖かった話もした。
こんな事言ったら二人は、居なくなるかもしれない。
それでもちゃんと話さないと
そうなんで両親がこんな態度なのか
その夜は、怖かったけど『紙に書いた』
あの日から私は話すことが怖くなった。
それからは、声を出していない。
だから妹達は、私の声を知らない。
二人は静かにその手紙を読んだ。
もしかしたら、怒るかな。
こんな風に仲良く出来なくなるかな。
でも話さないと。
そんな事を考えながら静かに待った。
二人は、私を抱きしめてくれた。
「お姉ちゃんは、何も悪くない。」
「私達もバイトが出来る年になったらバイトする。」
それから二人も16歳になった半年前からバイトをしている。
バイトが終わったら三人で帰る。
未来を語りながら。
それが毎日続いた。
私は、幸せ過ぎて忘れていた。
なんで幸せはすぐ消えると知っていたのに油断した?
もっと周りを見ていれば
そんな後悔今はもう遅い。
さっきまで楽しく話していた。
その幸せで楽しい話は、すぐになくなった。
「もう目標金額になった!これであの家出ていける」
そんな話を秘密の通帳を見ながら三人で話していた。
急に話しかけられるまでは…。
「お前ら、何だその金は!」
私達が持っていた通帳を背後から怒鳴りながら取り上げた父親
その隣で私達を睨みつける母親の姿によって幸せな未来図がバラバラと音を立てて崩れた。




