家族が壊れた日
今の父は、私の本当の父ではない。
本当の父は、大きな会社の社長をしている。
頭がよく、優しい父だった。
そんな父が私は、大好きで帰ってくるのを毎日楽しみに待っていた。
無邪気にも「パパちゅき!」と毎日父に言っていた。
そんな私も三歳になった頃、妹が出来た。
それも双子だ。
可愛くて、小さくて天使みたいなレンゲとレイン。
パパも「レイラは、お姉さんになったんだよ」と嬉しそうに話してくれた。
パパに褒められたくて毎日妹達から離れず、自分が出来る事はした。
お母さんの事は、あまり好きじゃなかった。
パパがいない時、色んな人にパパを悪く言うから
パパと妹達が居れば私は、幸せだから
大好きなパパと一緒に暮らせるのが短い間なんて思わなかった。
私が七歳になった頃
パパが出張で三日間いない日があった。
パパが出張の日は、朝からお母さんがお洒落をする。
いつも着ないお洒落な服。
いつもつけてる結婚指輪は、雑に四角い小さな箱になおす。
そんな日のお母さんが嫌い。
またかと思いながら見ないふりをする。
パパのいない日は、必ず知らないいつもの男性が来る。
私が居てもお構いなしにくっついて離れない。
その日も同じだった。
違ったのは、お母さんが居なくなって私に話しかけてきた事。
「おい!お前俺の子をいじめてないだろうな?」
男が笑いながら話してきた。
男が何を言っているのか理解できない。
私が話さない事をいい事に勝手に話し始めた。
「レンゲとレインの事だよ。アイツと一緒で鈍感だな」
お酒を飲みながら気分がいい男は、続ける。
「お前の妹は俺の子だ!お前の父親は、知らないで自分の子と思って育ててんだよ」
どうゆう意味なのか分からない
「分からないよ。」
私が話した言葉に反応してきた。
「だよな。簡単に言うと妹達は、お前の本当の妹じゃねぇの」
私が理解できない間にお母さんが帰って来たので自分の部屋に追い出されてしまった。
あの時の私は、分からない事を全部知りたくてすぐにパパに聞く癖があった。
仕事でもパパは電話に必ず出てくれる。
「分からないから、パパにきいてみよ!」
すぐにリビングに行き家の電話からパパに電話した。
番号も電話に登録してある。
お母さん達は、寝室にいるから見ていない。
PPPP
「もしもし?レインか?」
「パパ?レインだよ」
久しぶりのパパの声に嬉しくて色んな話をしている最中思い出した。
「そうだ!パパに聞きたいことがあったの!」
「なんだ?レインの話なら何でも聞くぞ!」
「あのね!」
さっきの男が話していた内容をそのままパパに伝えた
「…。」
「パパ?」
話し終わてパパからの答えがない。
どうしたんだろ。
「レイン。今そのおじさんとママは?」
いつもより低くて優しいパパの声じゃなかった。
「パパとママの部屋だよ?」
「わかった。すぐに帰るけどママには内緒だ。」
パパとの秘密が嬉しくて元気に答えたけど
その後、家族が壊れるなんて思わなかった。
パパが帰って来てみたことがないくらい怒ってた。
お母さんは泣き叫んで、男は謝って。
妹達もお母さんの声に驚いて泣いていた。
どのぐらい経ったのか。
おばあちゃんとおじいちゃんも来た。
いつもならすぐに抱っこしてくれるのに
今日は怖い顔で私を見てる。
「ばあば?じいじ?」
怖くなって話しかけた私に聞いたことがない声で話してきた。
「ばあばと呼ばないで!どうせこの子も息子の子か分からない!」
何を言われたの?
優しい人がみんな怖くなった。
どうして?
私の心は傷が増える。
そこからは何があったか分からない。
おばあちゃん達が帰ってパパもいなくなった。
お母さん、おじさん、妹達、私を置いて
覚えているのはおじさんとお母さんの言葉だけ。
恨めしそうに睨みながら
「あんたが喋らなければ今までとうりだったのに」
唇を噛みながら母が言った。
「お前のせいでみんな不幸になる。疫病神」
私の首に手を掛けながらおじさんが言った。
そっかレイラが喋らなかったらみんな優しいままだったんだ。
それが家族が壊れた日の最後の記憶。




