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私が二人を守る。
「お前がいるとイライラするんだ!この疫病神!」
ガシャン
机にあったコップが床に落ちて粉々に割れていく。
怒鳴りながら、私に向かって色んな物を投げる父親。
興味なんか全くない顔でテレビを見る母親。
いつもと変わらない光景のリビング。
いつもと変わらない両親の態度。
もう慣れてしまった。
いつだったかも曖昧で、辛いなんて感情も最近では湧いてこない
昔は、こんな家族じゃなかったのに。
理由なんて分かってる。
だからどんなに罵倒されたっていい
どんな扱いでも構わない。
私には、守りたい妹達がいる。
それだけで…。
家の中をこんなに冷たい場所にしたのは私。
だからこそこの二人だけは守っていく。
私の後ろで小さく震えている妹達に笑顔を見せながら毎日誓っている。
「妹達が幸せになりますように」