何かを知っているのか!?
(ここは・・・・。)
ここはオーストラリアのメルボルンでした。
僕は今、遠征で滞在しているはずなのです。
でも・・・・、何かが違うのです。
というか違和感があります。
でも、その違和感の正体は、すぐに分かりました。
・・・とても小さいのです。
とても僕は小さいのです。
とても僕の身体は、とても小さいのです。
それはいつか見た幼い自分の夢・・・・・。
そして僕はサングラスでスーツの男性と一緒にいるのです。
(ん・・・?)
サングラスの男性は、誰かと話してます。
その相手は、いかにも温厚そうな口髭を生やした男性でした。
そしてこの人の側には、ヤンチャそうな女の子がいます。
口髭の男性の脚を蹴っていたりするのでした。
本当にヤンチャなのでした。
(あれ・・・?)
僕は気が付いてしまったのです。
この口髭の男性と女の子は・・・・・!
「は!」
僕は背後から、トントンと肩を叩かれたのでした。
(一体・・、誰・・?)
勿論確認したくて、僕は振り返りました。
でも・・・・。、。
「のわっ!!」
そこには何と・・・・、あのカンガルー格闘王がいました。
そして両手にはグローブをハメています。
「な、なんだ・・・。」
勿論、カンガルー格闘王が僕の言葉に返答する訳もなく、無表情なのです。
そして・・・。
カンガルー格闘王は、右手を振りかぶりました。
==== パーンチ!!! ====
「ぐあああああ!!!!」
~~~~ ジリリリン!! ~~~~
目覚ましが鳴り響きました。
「はあはあ・・・。」
僕は目が覚めました。
夢の中の映像があやふやになります。
それは何か大切な事を思い出しかけていた様な・・・。
(うーん。わかんない。)
僕は頭を切り替えて、顔を洗いました。
~~~~ チーン ~~~~
トーストを焼きあがりました、勿論サニーの分もなのです。
「美味しいな。」
いつの間にか、サニーは起きています。
今日もサニーは、ニコニコしながらトーストを頬張っているのです。
そんな彼を見て、僕は思うのです。
本当に彼には、ストレスというものは存在しないのでしょうか。
それ自体は別に悪い事ではないと思います。
むしろ自分としては、そんなサニーに触発されてみようと思う位なのでした。
そして僕たちは身支度を調え、コートに向かったのでした。
==== ハッハッ ====
今日もアカデミーの練習は激しいです。
それでも僕は、全く辛くはありません。
何故かというと、いつになく身体が軽い気がするからなのです。
そして気のせいか、テニスボールがよく見えるのでした。。
その軌道まで、よく見えるのです。
「ハッ!」
ボールを打つときに、思わず大きな声を出してしまいました。
ラケットの芯にボールが当たっている手応えがします。
それだけ気持ちも乗っている、という事なのでしょう。
気持とは、肉体に大きな影響を与えるのか、と感じる自分なのです。
しかし・・・・。
==== 気のせいではない。 ====
「ハッ?」
突如として僕の背後から、言葉をかけられた気がしました。
気のせい、と言うのは今一つ自身が無いからなのです。
そして僕は、その声の主の方に向いたのです、が・・・。
==== !!! ====
僕は驚愕しました。
その声の主とは・・・。
「な、なな・・・。」
まさかまさかの、カンガルー格闘王・・・。
「は、はわわ・・・。」
動物園の中から出られないと思っていたカンガルー格闘王が、フェンス越しに自分の方を見つめています。
勘違いではなく、明らかに僕の方を見ています。
しかもグローブをはめて腕を組んでの仁王立ちなのでした。
(う、うん・・・。)
やはり自分の気のせいなのではないのでしょうか。
目の前の現状が信じられない僕は、ゴシゴシと目を擦ったのでした。
「何をボーっとしている!」
怒号がこだまします。
「はっ・・・!」
僕はサンダー、ライトコーチに注意を受けました。
「す、すいません・・・。」
コーチに向かって帽子を取り謝罪の意を伝えた僕は、気を取り直して練習に入りました。
でも・・・、やっぱり気になるのです。
少しだけ間をおいて、先ほどのフェンス越しをみやりました。
(は・・・、誰もいない。)
やはり全てが、自分の気のせいだったのでしょうか。
自分の集中力はまだまだなんだ、と思いました。
そう思ったのも束の間・・・、別の視線を感じました。
その視線の先にはサニーがいました。
彼はニヤニヤと笑っています。
僕はハッ、としました。
(何だサニー?何かを知っているのか!?)
僕は心の中で叫びました。
しかも・・・。
さらに僕は別の視線を感じたのです。
その視線の先は・・・・、ヒートだったのでした。
サニーとは対照的に、表情は押さえられています。
しかしうちに秘めたると思われる思いは、自分には感じられるのです。
(ま、まさか先程のカンガルー王は・・・。)
自分の顔を流れる冷や汗を、僕は感じました。
あれは幻だったのでしょうか・・・、それとも・・・・!




