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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第4章 遠征
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「私はね。」

「はっ!」

 気がつけば支配人と共に、別の男性が立っていました。

 しかもこの男性を、僕達は知っています。

 しかし、なんでこの人がここに・・・・。

 「あ、このお方は御高名なアクションスターの・・・・・。」

 そんな僕達の視線を察知してか、少々慌てた感じで支配人は隣の男性の紹介を始めました。

 もっとも紹介されるまでもなく、この男性は誰もが知っている有名人なのですが・・・。

 「とうさん・・・。」

 呟く声が聞こえました。

 それが誰なのかは、僕達は分かっていました。

 そこにいるトロピとは別のもう一人の女性、サイ・九龍・・・・。


 ==== とうさん ====

 僕の耳が確かに機能していれば間違いなく、そのように聞こえていたのです。

 「サイ。」

 その男性はサイに親しく、彼女の名前を呼びかけました。

 という事は・・・・、二人は・・・・。

 ==== 親子 ====

 そうなんですか、親子だったのですか・・・・・。

 今までのモヤモヤが晴れ、僕の心の中は様々な意識で盛り上がっていました。

 以前にニューヨーク行の旅客機に中で、隣にいた二人。

 そしてこのメルボルンに到着直後に、二人でいるのを僕は目撃しました。

 二人の間に、この様な強固な関係あったとは・・・。

 アクションスターは素っ気なく、クルッと僕達に背を向け歩き出しました。

 自分達一般人に対しては、必要以上に接触をしないのかも知れません。

 「では、皆さん。」

 支配人は僕達の方に向いて、軽く右手を挙げていました。

 支配人は慌てて、このアクションスターの後を、ついて行ったのでした。

 ・・・・残された僕達は、それぞれに思うと所はあるのでしょう。

 少しの間、沈黙が流れました。

 それはボクにとっては、少しだけ心苦しいモノなのでした。

 だからそれを打破しようと、自分としては考えたのでした。

 「凄いなサイ。サイも凄いけど、まさか親がジャッカー・チンだったなんて。」

 僕はサイに対して、率直な発言をしたのです。

 でも・・・。

 「凄くないよ・・・。」

 そこで彼女は、何故か素っ気ない態度を取りました。

 そしてサイは僕達の元から去って行ったのでした。

 何か僕は、何かサイの気に障ることを言ったのでしょうか。

 その様な事は、今の自分には分かるはずもありません。


 解散したあと、僕たちは各々に夕食を取りました。

 食事中、僕は本当にスッキリしない気持ちでした。

 食後、僕はアカデミー内をフラフラと歩いていました。

 それは正に何を求めているのか分からずに、何かを求めている状態なのでした。

 ところがそれは、それほど時間がかからずに求めているモノは見つかったのです。

 「おっ。」

 そこに彼女はベンチに座り、1人で佇んでいたのでした。

 彼女は僕の事を気が付いているのか、いないのか・・・・。

 でもこれは自分に取っては、神様から与えらえた機会なのかも知れないのです。

 見る前に飛べ、なのです。

 僕は彼女の側に行きました。

 「隣いいかな。」

 「別にいいよ。」

 その表情通りに、彼女の返事は素っ気ないモノなのでした。

 それでも僕は、彼女の側に座りました。

 「さっきはごめんよ。」

 「なんで?」

 「いや、気にさわることを言ったかな、って。」

 「ああ、別にきにしてないよ。」

 そう言って彼女は、一呼吸を起きました。

 「本当の親子じゃないんだ。」

 「え?」

 それは自分に取って、思いもよらない彼女の発言なのです。

 本当に今の彼女に、僕は話しかけても良かったのでしょうか・・・・。

 でももう時すでに遅しなのです・・・。


 「私はね。」

 それからサイは、語り始めたのでした。

 その内容に対して、僕は覚悟を決めていたのです。

 「私は養女だよ。とうさんは、孤児だった私を引き取って育ててくれたんだ。」

 「そうなんだ。」

 そのサイの言いかたからして、彼女は養女である事をジャッカー、チンに対して引け目の様なものを感じているのかも、と自分としては伺えました。

 でもだからと言って、そんなことをサイに直接聞くことなどはできるはずもありません。

 それは触れるべきでは、ないと思うのです。

 そう考えていると。

 「じゃ。」

 「ああ。」

 素っ気なく彼女は、行ってしまったのです。

 それでもわだかまりが解けたようで、自分としては満足でした。

 何故かというと、サイは僕に背を向けつつも手を振ってくれていたからなのです。

 そして自分のサイに対する見方は、変わったのでした。

 少なくともサイは、その実力を持って女子テニスのトッププロに君臨しているのです。

 そんな事を、今まで自分は忘れていたのでは、と思ったのでした。

 そんな彼女の様にテニスの試合で身をたてる人に早くなりたい、と自分の心の中で誓うのでした。

 

 今日の休日を終え、僕は寝床に就いていました。

 それは楽しかったし、為になった、と思います。

 だから明日からの練習には、身が入りそうです。

 「グー。」

 「ん?」

 (なんだサニーか。)

 サニーはイビキをかいているようすでしたが、それほど激しいものでもなかったので、すんなり僕は眠りに入ることができたのでした。

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