第3章 魔法使いデビュー
キャサリンは、ルーファスの左手と手を繋いだ。
団長・ルーファス「おい、手を繋いでる場合じゃないだろ!!」
キャサリン「ルーファス、ダークノヴァよ!!早く唱えて!!」
団長・ルーファス「はあ?言えばいいのか?」
キャサリン「そう、早く!!」
キャサリンの大きな声と鋭い眼光に睨まれ、ルーファスは慌てて魔法を唱えた。
団長・ルーファス「分かった、ダークノヴァ!!」
ルーファスの右手から黒い霧が出て、辺り一面に広がり、n国ナイト達は真っ黒になった。
n国ナイト達「スウェットスーツが真っ黒に染まった!!」
「体が思うように動かない!!体が重い!!」
「指先すら、動かすのが辛い、足が動かない!!」
団長・ルーファス「キャサリン、これは何の魔法だ?」
キャサリン「ブラックノヴァ・・・・この黒い霧に触れた者は、5分間は動きが超スローになるの。ちなみに魔法は、私単独では使えない。あなたと手を繋ぐことによって、あなたの手から魔法が放たれるの。要するに、あなたがいないと、私も魔法が使えないの。」
団長・ルーファス「なんとも不便な魔法だな。」
キャサリン「そう、あなたがいない時は・・・・。」
そう言いかけると、キャサリンは手を繋いでいるルーファスから手を離して、近くにいるn国ナイトのシルバーランスを右手でへし折り、左手を手刀にして、そのn国ナイトの心臓を貫いた。
キャサリン「このように素手で闘うの。」
そう言いながらキャサリンは、折れたランスの先を拾い、自分の頭に突き刺した。しかし、ランスの先はグニャリと曲がった。
キャサリン「私はこう見えてもドラゴンだから、こんな武器なんて、何てことないの。」
団長・ルーファス「お前、無敵じゃないか。魔法要らないだろ。」
キャサリン「それがそうでもないの。ドラゴンキラーには弱いのよ、ドラゴンなだけに。もし、ドラゴンキラーを持った勇者とか現れたりしたら・・・・そこで、魔法が必要になってくるの。」
団長・ルーファス「ドラゴン・キラー、あの伝説の武器か・・・・まだ確認情報はないが。それより、コイツらをさっさと始末しよう。」
キャサリン「そうね。じゃあ、ダークネススカイで。」
団長・ルーファス「よし、ダークネススカイ!!」
ルーファスが呪文を唱えると、青かった空がどす黒く曇り、黒い墨汁のような雨が降り始めた。
n国ナイト達「な、なんだ!!この雨は!!」
「お前、誰だ?顔が黒くて分からない!!」
「スーツの隙間から、流れ込んで体が気持ち悪い、早く家に帰って、風呂に入りたい!!」
黒い雨を浴びたn国ナイト達は次々と倒れ、スウェットスーツで覆われていない頭部から、黒い苔が生えて腐り始めた。
団長・ルーファス「うおっ。なんてえげつない魔法なんだ!!俺達も雨を浴びているが大丈夫なのか?」
キャサリン「大丈夫よ、私達に当たっているのは普通の雨。魔法は、主人の意志に従うの。」
黒い雨の降る中、ルーファスとキャサリンは手を繋いだまま、n国の街中を歩いて周った。
街中の人々は、黒い苔に覆われて腐り、生きている者はいなかった。
団長・ルーファス「どうやら、生きている者はいないようだ。予定通り、n国をぶっ壊せた。早速、魔王様に報告だ。」
キャサリン「魔王様?」
ルーファスは、ドラゴンゾンビを呼んで、キャサリンと共にカサブランカ市へと帰って行った。




