第2章 マツダさん
一 ソータ達の住む寺 一
夕飯が終わり、チャンコが一人、炊事場で食器や鍋を洗っていた。ソータが寝る部屋=茶の間では、テレビを見ながらソータ、ミーナ、ユナ、ミヤモト、ヒカリ、ギズモがなんやかんやと話をしていた。
ミーナ「ミヤモト、チャンコさんを手伝いなさいよ。」
ミヤモト「は?そういうお前が手伝ってやれよ。だいたい食器洗いとかは、女がすることだろ?」
ミーナ「あんた古いわね、今どきは男が炊事、洗濯、料理、掃除までするのよ。」
ミヤモト「そんなことばかり言ってると、嫁にいけないぞ。そろそろお前も、花嫁修業がてら料理でもしたらどうだ?」
ミーナ「まだハタチだし、早すぎでしょ。そういうアンタも時給850円の契約社員で一生独身なんだから、炊事の練習でもしたら?老後に備えて。」
ミヤモト「うるさい!!黙れ、このクソブスが!!」
ミーナ「ブスだって?私は今まで男に不自由したことがないのよ!!」
チャンコ「まあまあ、二人ともそんなに熱くなるな。」
炊事場からチャンコが二人をなだめた。
チャンコ「一生独身だとしても、一生ブスだとしても、元気ならそれでいいじゃないか。元気は金じゃ買えないぞ。」
ミーナ「ちょっと何よそれ、全然なぐさめになってない!!」
ミヤモト「そうだそうだ。チャンコだって空手ばっかりやってたら、一生独身で終わってしまうぞ。」
チャンコ「だから、俺はこうやって炊事をしてるんだ。俺の独身は既に想定内だ。」
ミーナ「・・・・そうなんだ・・・・。」
ミヤモト「なるほど・・・・お前の覚悟には何も言えん・・・・。」
そんな会話をしている中、ポナ村の森友神社にある神木で巨大な松の木が、地面から根を出して動き始めた。
神社の木々達が騒ぎ始めた。
木々達「駄目だよマツダさん、動いちゃ。」
「そうだよ、俺達は木だよ。」
「ずっと何百年もここで、じっとしとくのが俺達の仕事だよ。」
神木・マツダ「ちょっとサバ缶を買いに行って来る。」
木々達「サバ缶?駄目だよマツダさん、木がサバ缶なんか食べちゃ。」
「そうだよ、俺達は水と太陽の光と二酸化炭素以外、食べちゃいけないんだよ。」
「買いに行くって、お金持ってるの?」
神木・マツダ「金持ってないから、強奪する。」
木々達「駄目だよマツダさん、あんたは神木だよ。神様の木が強奪するなんて、前代未聞だよ。」
「せめてお金は払おうよ。」
神木・マツダ「シンボクじゃない!!俺はたった今、カミキになった。これからは俺のことを、リュウノスケと呼んでくれ。」
木々達「駄目だよマツダさん、あんた木じゃん。それにイケメンじゃないし。」
「まさかのリュウノスケを名乗るなんて、恐いもの知らずだな。」
「リュウノスケが聞いたら、がっかりするよ。」
木々達の言葉を無視して、神木・マツダは歩き始めた。そして、神社の100段ある階段を下りようとしたが、うまく降りれず転がり始めた。
神社・マツダ「ぐわああああ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいいいい!!」
神木マツダは、100段ある階段を転がり落ちて、全身打撲で1億ポイントのダメージを受けた。
約10分ほど地面に横たわり、なんとか立ち上がった。
神木・マツダ「うぅぅぅぅぅぅ・・・・こんな痛い思いをしたんだ、何がなんでもドラッグストアでサバ缶を強奪してやる!!」
神木・マツダは、ポナ村の中央市場にあるドラッグストアを目指して、歩き始めた。




