第2章 魔王・オカモト
ルーファスとキャサリンは、手を繋いで町並みを真っ直ぐ500m程進むと、ダイアモンド・トューベと書かれた、ステンレス製の銀色の表札が見えた。建物は茶色で2階建てだった。
魔王・ルーファス「これか?」
キャサリン「みたいね、なんでオカモトは金持ちなのに、こんなアパートに住んでるのかしら。」
魔王・ルーファス「みんなが勝手に金持ちだと思ってるだけで、実は金を持ってないんじゃないのか?」
キャサリン「ルーファスは、貯金いくらあるの?」
魔王・ルーファス「たぶん15万ぐらいだ。」
キャサリン「少な!!魔王なのになんで?」
魔王・ルーファス「最近家を買ったのと、サダが経理を管理しだしてから、給料を下げられた。」
キャサリン「なにそれ?てか、魔王って月収だったの?私と一緒じゃない。」
魔王・ルーファス「先代の魔王様は、今の3倍ぐらいくれたんだがな。ちなみに、今の俺の月収は手取り23万てとこだ。」
キャサリン「え?私は25万よ。」
魔王・ルーファス「なに!!なんでお前の方が多いんだ?ってか、俺より給料多いなら、たまには奢れよ!!」
キャサリン「実は、サブリーダーに給料少し上げてって言ったんだ。そしたら5万円上げてもらっちゃった。みんなには内緒よ、みんな給料上げて上げてって言い出すから。」
魔王・ルーファス「サダの奴、自分はいくら取ってるのか知らないが、俺も少し給料を上げてもらおう。せめて、キャサリンと同じにしてもらう。」
キャサリン「フフフッでも、さすがサブリーダーね。まさか魔王の給料が手取り23万て。でも、そうやって人件費を削減したりして、魔王の資産をきちんと管理して守ってるとも言えるわね。」
魔王・ルーファス「それはそうかもしれんが、こないだアイツ、レクサス乗ってたぞ!!1100万する最高グレードの奴だ!!」
キャサリン「え?こないだ私が見たときは、アルファードに乗ってたわよ。とにかく、サブリーダーの話は置いといて、まずはオカモトを倒しましょう。」
魔王・ルーファス「そうだった、まずはオカモトだな。」
アパートは真っ暗で、1つの部屋だけ明かりが点いていた。その部屋番号は104だった。早速、1階の一番左端にある104号室の扉の所に行き、ルーファスは扉の丸い取っ手を持って開けようとした。
キャサリン「さすがに、鍵がかかってるでしょ。」
ルーファスが丸い取っ手を回すと扉は開き、キャサリンとルーファスは仲良く手を繋いで部屋の中へ入った。ルーファスは小声でお邪魔しますと言って、台所を抜けて奥の部屋に入ると、コタツの上に空の缶ビールが7本置かれ、コタツから裸の上半身を出して、寝ている男の姿があった。
キャサリン「寝てるわね。」
ルーファスは台所へ行き、キッチンから包丁を取り出して持って来た。
キャサリン「ちょっとルーファス、何する・・・・。」
キャサリンがそういう間もなく、ルーファスは寝ている男の腹に包丁を突き刺した。
寝ている男「うぅ・・・・うええええ・・・・痛い・・・・。」
キャサリン「え?え?ええ?ええええ?」
包丁でルーファスに腹を刺されたことにより、男は目を覚ましたが起き上がれない。腹から赤い血がどくどくと流れ出ていた。
血がどくどくと流れるのを見ながら、男は小声で言った。
目が覚めた男「・・・・な、ま、まじか。」
魔王・ルーファス「お前がオカモトか?魔王・オカモトなのか?」
目が覚めた男「そ、そうだ・・・・お前は誰だ?どうやってここに入った?」
ルーファスは何も答えず、刺した包丁を抜いて、更に何回も上半身裸の男の腹に突き刺した。
キャサリン「え?ええ?ええええ?」
オカモトは意識が薄れて死にかけていた。ルーファスはコタツをのけると、オカモトは下半身も裸だった。
魔王・ルーファス「なぜだ!!なぜ、お前は全裸でコタツで寝てるんだ!!いったい、お前は全裸でコタツに入って、何をしてたと言うんだ!!」
魔王・オカモト「お前達は・・・・どうやって・・・・ここに・・・・入ったんだ?」
オカモトは、そう言うと目を閉じて死んだ。
魔王・ルーファス「俺の質問が先だ!!答えろ!!お前は全裸でコタツに入って、何をしてたんだ!!」
キャサリン「いやいやいやいや、もう死んでるし・・・・。」
ルーファスがコタツの部屋を見渡すと、押し入れがあった。押し入れを開けると、100万円の札束がドカドカと落ちて来た。
キャサリン「うわっ凄いお金。」
ルーファスは再び台所へ行き、今度は黒いゴミ袋を持って来て、その中へお金を入れ始めた。
魔王・ルーファス「キャサリン、ぼうっと突っ立ってないで、ゴミ袋に金を詰め込むのを手伝え!!」
キャサリン「これって、殺人強盗じゃない?」
魔王・ルーファス「違う。俺は魔王との闘いに勝ち、報酬を得てるのだ。この金は2人で山分けだ、サダには言うなよ。」
キャサリン「分かったわ。」
キャサリンも黒いゴミ袋を取り出して、金を詰め込み始めた。




