第2章 図々しい
サダ「なんて強力な光の魔法なの!!ブラックナイト達が一撃で!!」
ワルド「おい!!そんなことよりサッサと逃げるぞ!!魔法だ魔法!!」
ジーザス「そうだ!!早く魔法を唱えやがれ!!このバカ女!!」
サダ「な、誰がバカ女よ!!」
ワルド「いいから早く魔法を唱えろ!!逃げるぞ!!ジーザスも余計なことを言うな!!」
ジーザス「すいません、リーダー。」
サダ「クッ。ムーヴメント・改!!カサブランカ市へ!!」
サダ、ワルド、ジーザスの3人は、消えてその場からいなくなった。
ミヤモト「相変わらず、逃げるのが早い奴等だ。さて、このサラリーマンのおっさん達をどうするか・・・・。」
ギズモ「ユナ、ミネラルウォーターを。」
ユナは右手を夜空に挙げて唱えた。
ユナ「ミネラルウォーター!!」
大量の雨が、ブラックナイトだったサラリーマンのおっさん達の、寝そべっている寺の広場へ降り注いだ。
おっさん達「う、う~ん。なんか気分がいい。」
「肩凝りが治ったぞ。」
「なんかよく眠れた気分だ。」
おっさん達は起き上がり、伸びをしたり欠伸をしたりして、顔の表情が和らいでいた。
おっさん達 「どうやら、ブラックナイトは首になったみたいだな。」
「金に目がくらんで、ついつい魔王なんかの求人に。」
「さて、また明日から就活頑張るか。」
「そうだな。」
おっさん達は、濡れたスーツを着たまま、笑顔でそれぞれの家へと帰宅し始めた。
ソータ「さすが癒しの魔法だな。」
ミヤモト「俺達もびしょ濡れだ、風呂でも入るか。」
ソータ「そうですね。ミヤモトさん、先にどうぞ。」
ヒカリ「ミヤモト、俺の体を拭いてくれ。」
ヒカリは体をブルッと震わせて、翼についた水滴を落としたが、ソータの顔にもかかった。
ソータ「うわっヒカリ、冷たい!!」
ヒカリ「わりい、ソータ。」
ミヤモト「ソータに拭いてもらえ。」
ミヤモトはそう言って、寺の方へ歩いて行き、ソータもそれについて寺へと向かった。
ミーナ「あ~あ、サッカー終わっちゃった。」
テレビを見ると、刑事ドラマをしていた。
ユナ「じゃあ、私達も風呂にしますか。」
ミーナ「そうね、一番下っ端のミヤモトが先に入るなんて、どうかしてるわ。」
ユナ「歳は一番上ですよ。」
ミーナ「それは関係ないわ、寺に住み着いた順よ。」
ユナ「住み着いた順・・・・ですか。」
ユナは薄ら笑いをした。
ミーナ「それにしても、ソータとユナちゃん凄いわね。やっぱり若いから、成長速度が違うわ。私とミヤモト、なんか置いていかれてる感じ。ミヤモトも、強くはなってるんだけどね。」
ユナ「今回は属性が闇だったから、お兄ちゃんが活躍しただけであって。最近は、魔法が効かない魔物も現れてるみたいですし。」
ミーナ「武器が効かない魔物もいるらしいわね、素手じゃないと倒せない奴とかも。」
ユナ「そういえば、近々チャンコさんが来るみたいですよ、お兄ちゃんが言ってました。」
ミーナ「え?むさ苦しい男ばっかり嫌だし。何しに来るの?」
ユナ「ポナ村で週に2日、学校の体育館で空手を教えることになったそうです。それで、衣食住をこの寺でするらしくて。」
ミーナ「なんて図々しい。」
ユナは心の中で思った。
ユナ『それはミーナさんも一緒じゃん。』




