第2章 失われた力
オババ様が新たなノヴァとなり、世界中の地震と暴雨が止んだ。世界中の多くの建物や家々が崩れ、かなりの死傷者が出た。
ポナ村の広場で、地面に伏せていたミヤモトと村人達は無事だったが、キサラギは、木製のベンチが頭に当たり、血を流して倒れて気絶していた。
ミヤモト「キサラギ!!大丈夫か?」
キサラギ「うぅ・・・・。」
ミヤモト「なんだ、生きてるのか。死ねば良かったのに。」
村人達「この人だけだな、この広場で負傷しているのは。」
「罰が当たったんだ。」
「やっぱり、お天道様は見てるもんなんだなあ。」
キサラギは担架に乗せられて、ミヤモトと何人かの村人達に病院に運ばれて行った。
星海草原では、ユナとエルダの側にいたギズモとヴィクトリーの姿がなくなっていた。
ユナ「ギズモがいない!!ギズモーー!!」
エルダ「ヴィクトリーもいなくなってる!!ヴィクトリーー!!」
二人が叫んでいると、足元から声が聞こえた。
ギズモ「ユナ、聞こえてるわよ。」
ヴィクトリー「ここだ、ここ。」
二人が声のする足元の方を見ると、小さな青色のトカゲと、赤色のトカゲがいた。
ユナ「え?」
エルダ「嘘でしょ!!なんで?」
ユナは青色のトカゲを、エルダは赤色のトカゲを拾って、手のひらの上に乗せた。
寺で寝ていたソータは、目が覚めて布団から起き上がると、側で2人のおばさんと民さんが、地面に伏せて震えていた。
おばさん達「やっと、おさまったみたいね。」
「もう、私は死ぬかと思ったわ。」
民さん「ソータ、大丈夫?」
ソータ「はい、大丈夫です。なんか、体がいつもと違って軽いんですが。」
民さん「ソータ、ちょっと治るの早くない?あの症状なら、いつもならもっと時間がかかるはず。」
おばさん達「ソータ、もう治ったのかい?」
「あんた、そう言えば顔色がだいぶ良くなってるわね。」
魔王のラブホ・マオウホテルで高熱にうなされていたルーファス団長は、熱が下がり目が覚めた。起き上がってみると、体は軽くて気分が非常に良かった。ルーファス団長の手当をしているキャバ嬢達は、震災のため、今日はまだ来ていなかった。
ルーファス団長「誰もいないじゃないか。それにしても、なんだか筋力が、かなり落ちた気がする。」
ルーファス団長は、ベッドの前にある巨大な鏡の前で、Tシャツを脱いで上半身裸になった。
ルーファス団長「な、なんだこの体は!!ガリガリじゃないか!!これじゃあ、喧嘩に勝てない!!」
ルーファス団長は、床にうつむせになって、腕立て伏せをしてみた。
ルーファス団長「1、2、さ・・・・ダメだ!!できない!!3回目ができない!!俺は腕立て伏せが2回しかできない!!うわああああ!!」
それからも、何回やってもルーファス団長は腕立て伏せが2回しかできず、うつむせになって泣き崩れた。




