招集!!
ミヤモトは、山岳博物館でパターゴルフに励んでいた。
ミヤモト「あっついに外れた。七回連続ホールインワンだったのに。」
事務員の眼鏡をかけた中年の女・トモミが、ミヤモトに注意をした。
トモミ「ちょっとミヤモトさん!!いつまで遊んでるんですか!!少しは仕事を覚えて下さい!!」
ミヤモト「仕事って言ったって、誰も来ないじゃないですか。だいたい、昆虫の博物館に来るのは、子供が夏休みの時ぐらいでしょう。」
トモミ「だとしても、今から少しずつ仕事を覚えるべきです。まあ、あなたはサムライだから、村を護る意味でも村長さんは雇ったのでしょうけど、少しは博物館の仕事も覚えて下さい!!」
ミヤモト「はいはい。」
ミヤモトは、トモミに怒られて仕方なく席に着くと、何人かの村の男達が、博物館に駆け込んで来た。
村の男達「ミヤモトさん!!村にレッドドラゴンが乗り込んで来た!!」
「サムライがあんたを連れて来いって!!」
ミヤモト「おいおい、みんな早口で何言ってるか分からないよ。」
村の男達「とにかく、早く村の広場へ!!」
村の男達は、ミヤモトを引っ張って連れ出した。
トモミ「ちょっと!!ミヤモトさんを勝手に連れて行かないで下さい!!ちょっと!!」
ユナは、苦手な算数の授業中だった。窓際の後ろから2番目の席で、算数のドリルに四苦八苦していると、運動場の方から、何人かの村の女達の声が聞こえて来た。
村の女達「ユナちゃん!!ユナちゃん!!」
「早くギズモを呼んで!!」
「ドラゴンよ!!ドラゴン!!」
そう叫びながらも村人の女達は、ズケズケとユナの教室に入って来た。今月から赴任して来たばかりの若い男の先生は、村人の女達に圧倒された。
先生「ちょっと、まだ授業中ですよ!!」
村の女達「うるさいわね!!僕ちゃん!!」
「今は僕ちゃんの算数どころじゃないの!!」
先生「私は僕ちゃんじゃありません!!月9のドラマじゃないんですよ!!今は授業中です!!」
村の女達は、ユナを連れ出した。
先生「ちょ、ちょっと!!ユナさんを連れて行かないで下さい!!」
村人の女達「うるさいわね!!こんな数学なんか社会に出たら役に立たないの!!」
「そうよ!!数学よりも今は、ドラゴンに乗る方が大事なの!!」
「なんでも世の中、数字で解決できると思ったら大間違いよ!!」
先生は、ユナの後ろ姿に向かって叫んだ。
先生「ユナさん、今日のドリルのところ、宿題ですよ!!」
ユナ「え~~!!村を救う上に、宿題プラスですか!!」
そう喚きながらも、ユナは、村人の女達にギズモのいる体育館へ連れられて行った。
体育館の中に入ると、ギズモはピンク色の絨毯の上で起き上がり、巨大な羽をブルブルと振るわせていた。ギズモの近くで、ミーナが魔法を唱えていた。
ミーナ「クーラー!!どう?ギズモ。涼しい?」
ユナ「ミーナさん!!」
村人の女達「あっミーナ!!」
「不良娘のミーナ!!最近はあの娘、相席居酒屋に行ってるんだって。」
「嘘!!あの、女は無料で食べれるところ?」
「そうそう。毎週日曜は、必ず行ってるらしいわよ!!」
ユナ「相席居酒屋?」
ミーナ「みんな!!ユナちゃんの前で変なこと言わないで!!」
村の女達「そうだった、そうだった。今は、相席居酒屋どころじゃなかったわ。さあ、ユナちゃん。早くギズモに乗って!!」
「ミーナ!!邪魔よ!!早くそこをどいて!!」
「どきなさい!!相席居酒屋!!」
ミーナ「な、相席居酒屋って。私は村長さんに体育館の温度を、ギズモの適温に合わすように言われて、ここにいるのよ!!きゃああああ!!ちょっと!!」
ミーナは、村の女達に押し退けられた。ユナがギズモに乗ると、近くの柱のスイッチを、一人の村人の女が押し、体育館の屋根がゆっくりと開いた。
ユナ『ギズモ!!とりあえず村の広場へ行って!!』
ギズモ『OK!!ユナ!!行くわよ!!』
ユナを乗せたギズモは、元気よく青空へ飛び立った。




