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87 ベルグの思い
87 ベルグの思い
ベルグは父の部屋にいた。
「、、、」
父の部屋には母の姿もあった。
沈黙が流れ
重たい空気がただよう。
父ザルグが口を開く
「ベルグ教えてくれ。
何が不満なんだ?
「不満など!
けして」
「じゃあなぜ当主になりたがらないんだ?」
ザルグは困った表情でベルグに聞く
「私は、、、」
そして
また沈黙
、、
、
、
外の鳥のさえずりが聞こえる。
綺麗な音、
、、
「ベルグ、この人はね
あなたが当主になる事を本当に楽しみにしてたのよ。」
母サラが助け船を出す。
何かを教えるように押し黙るベルグ
「自慢の息子だって、
友達が来るたびに自慢するのよ。
オレの息子は大した奴だって
さすがオレの息子だって」
母サラは優しく笑う。
「、、、など」
何かを呟くベルグ
「何?」
聞き返すサラ
「不満などあるはずがありません!!」
「私はジーカ家に大恩を返さねばなりません!!」
突然口を開くベルグ。
その真剣な表情に驚くザルグとサラ