59 トランの魔法授業
59 トランの魔法授業
「まず体の中の魔力を感じること」
トランはニーナに魔法を教えていた。
「はい!」
「体の中に流れる暖かいエネルギー。
たえず流れる力があるはずだ。
まずそれを感じるようにする。
わかるか?」
「はい!なんとなくですが、力を感じます。」
「よし!いい感じだ!」
(すげーな、、、)
「その力を自分の意思で動かす。右手に力を集めたり、左手、頭、足みたいな感じで。」
、、
、、、
ニーナはトランが驚くほどの勢いで上達していった。
、、
「トランさんはどうして竜を探しているんですか?」
「え?ただ見てみたいだけなんだけど。
伝説に出てくる竜がホントにいるかわからないがな。ははは。」
「そうなんですね、、、。」
「ニーナは村を出てみたいとか思わないのか?」
「外の世界を見てみたいですが、私はここを出れないので。」
「そっか。ここいいとこだしな。ニジマス美味しいし。」
ニーナにもいろいろあるのかと思うトラン
「トランさんニジバスのことばっかりです。」
トランの言葉に笑うニーナ。
、、、、
●その頃
バルカとアルホは依頼を終えギルドに来ていた。
「アリサさん依頼報告です。」
「依頼報告です!」
アルホがアリサに声をかける。
それにバルカが続く。
「アルホさん、バルカさんお疲れ様です。」
「依頼はダークウルフの討伐でしたね。」
「はい。そうです。」
「楽勝でした。」
バルカが得意げに笑う。
「もうC級上位も余裕ですね!」
「それでは今回の報酬になります。」
「やったー!!」
「兄貴のおかげだな!」
いつもより多い報酬をみて喜ぶ二人。
「そういえば最近トランさんを見かけないんですが?
どこかにいかれたんですか?トランさんにお願いしたい依頼がたくさんあるんですが、、、」
「兄貴は確か湖に探し物があるとかなんとか言って10日ぐらい帰ってきてないですね。」
アルホが答える。
「さすが兄貴っす!」
意味不明なバルカ、、、
「なるほど、、、。さすがトランさんです。
それじゃあ いつ帰ってくるかわからないですね。」
頭を抱えるアリサ。
「ところでお二人はクランには入らないんですか?最近ではCランク冒険者の中でも有名になってきてますし、お二人を欲しいクランは多いと思いますよ。」
「ははは、有名だなんて」
照れるバルカ
「オレ達はトラン兄貴の弟子なんで、どこにも入る気はありません!」
アルホが言う。
「トランさんのクランには入らないんですか?」
「、、、」
「「、、、なんですかそれ!!」」
驚く二人
(トランさん言ってなかったんだ。トランさんらしいな、、、。)