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ローテーション

「次は私がゴブリンナイトをやる」


 ホブゴブリンを倒しただけに終わったソフィアが次の相手を決める。そこは上手く交代していくつもりだったのだが、最初にソフィアが貧乏くじを引いてしまっただけだ。何よりシェリーがゴブリンソーサラーを倒すのに時間が掛かると思っていたのだが、そんな事はなくソフィアが合流する前に倒してしまったのに驚きだ。


「シェリー、次はホブゴブリンとやってみる?」


 ゴブリンソーサラーを容易く倒してしまったので大丈夫だと思うが、近接戦闘の相手をシェリーに任せてみようと思って聞いてみた。


「はい、問題ありません」


 という事で次に見つけたゴブリンのパーティー相手に今回はソフィアがゴブリンナイト、シェリーにホブゴブリンを任せた。すると前に戦った相手と被らなくする為には、必然的に俺がゴブリンアーチャー、アペルがゴブリンソーサラーの相手だ。


 俺がゴブリンアーチャーを狙って疾走するのを見るや、ゴブリンアーチャーが牽制に矢を放ってくる。それを回避して背後にいる仲間に当たらないよう斬り落とすが、そこを狙われてゴブリンアーチャーが《ツヴァイシューティング》を放ってきた。矢を斬り落とした体勢で回避に移れず《結界》を展開してやり過ごした。


 アペルなら余裕そうに盾で弾き落としていただろうが、ソフィアはどうするだろう。避けずに魔法で撃ち落とすという芸当をやってしまいそうだ。俺はそこまで繊細なコントロールは出来なそうだ。つまり俺は《結界》で強引に突っ込むのが正解という事かな。《結界》を展開したまま突っ込み、接近されたゴブリンアーチャーが短剣に持ち替えるが、《剣術》を所持していないのでは動きが緩慢で、容易に斬り伏せて終わった。


 シェリーに任せたホブゴブリンはというと、既に倒されたみたいで居なくなっていた。ホブゴブリンなら練習するには丁度良い相手だと思っていたのだが、シェリーはホブゴブリンをあっさりと倒してしまったみたいで、練習にすらなっていなかった。ソフィアとアペルは問題ないだろうからシェリーにどうやって倒しているのか聞いてみた。


「ショウジ様のアドバイス通りに、《土魔術》のレベルを上げて《鋼魔術》を取得致しましたので、《アースシールド》と《スチールワイヤー》の合わせ技で倒しました」


 シェリーはいつの間にか《鋼魔術》取得していたらしい。それなら納得だが《アースシールド》と《スチールワイヤー》の合わせ技か。詳しく聞いてみると、対象の周囲に2カ所以上に《アースシールド》を発動させる。その時それらの間に切断目的の細い《スチールワイヤー》を張りめぐらせる事によって、《アースシールド》の突起する勢いで対象を下から細切れにするというのだ。何という合わせ技だろうか。モンスターは灰になっていくから良いが、盗賊とかのモンスター以外には使いたくない合わせ技だ。使ったら悲惨な現場になってしまう事だろう。


 ソフィアとアペルも自分の相手を倒し終えて戻ってきた。シェリーもいつの間にか強くなってたしほかのゴブリンも大丈夫だろう。次はホブゴブリンをアペル、ゴブリンナイトをシェリー、ゴブリンアーチャーをソフィア、ゴブリンソーサラーを俺が担当する。だが今度のゴブリン達は数が1体多く、ゴブリンアーチャーが2体の編成だった。ゴブリンアーチャー担当のソフィアは喜んでいたが、アペルがホブゴブリンを倒し次第、ソフィアかシェリーの分が悪そうな方へ応援に向かってもらう事にした。


 それでは俺はゴブリンソーサラーとの戦いに集中しよう。4属性の魔法をどう使ってくるか楽しみだ。今回は俺も相手の土俵に合わせて魔法だけで戦ってみようかな。


「ファイヤアロー!!」


 久しぶりに《ファイヤアロー》を使ったような気がする。最近は単体なら《ファイヤジャベリン》か《フレイムブレス》ばかり使っていたように思う。とりあえずは《ファイヤアロー》で牽制するが、ゴブリンソーサラーは《ウォーターボール》で相殺してきた。


 むむ、ゴブリンソーサラーですら精密に魔法をコントロールしていた。これは負けられない。わざとゴブリンソーサラーに魔法を撃たせて、俺はそれを魔法で迎撃する練習をした。最初はタイミングが合わずに迎撃に失敗して回避していたが、よくよく考えればタイミングを合わせなくても良いのだ。相手の魔法の射線上に魔法を形成して、相手の魔法に向けてこちらの魔法を放てばどのタイミングで放っても必ずぶつかる。このやり方を覚えてからは迎撃するのが簡単になった。なので練習に付き合ってくれたゴブリンソーサラーに感謝しつつ、ひと思いに息の根を止めてあげた。もちろんやり方はシェリー直伝の細切れの刑でだが。《フレイムブレス》とかで火あぶりよりかは楽な死に方だと思う。ちなみに練習していた俺の戦闘が一番長く、他の皆はとっくに終わっていたのだった。

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