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久しぶりのスキル持ちモンスター

 その後も襲い掛かってくるフライングフィッシュを倒し続け、シェリーのレベルを着実に上げていった。俺達がフライングフィッシュを切り伏せている間、暇なシェリーは《風魔術》取得の為に《ウィンドカッター》をフライングフィッシュ目掛けて放っていたりもした。最初は全く当たらなかったが慣れてくると大分命中率が上がったように感じる。そして結構長い間5層で遊び感覚にフライングフィッシュを倒していたが、シェリーが《ウィンドカッター》を使い続けているうちに《風魔術》を取得できるようになったみたいだった。


 シェリーが《風魔術》を取得したのでそろそろ次の階層へ行こうかと話していた所に、海からではないモンスターの反応を《探知》が教えてくれる。


「陸地からモンスターが来るよ、気を付けて!」


 だが《探知》の反応は近付いてくる事もなく、逆に逃げていく事もしない。


「あれ、おかしいな。反応した地点から動かないぞ」


 おかしいとは思いつつ戦闘態勢のまま、慎重に警戒しながら近付いていった。


 遠目から確認出来たモンスターは山のように盛り上がった岩のような姿形をしていた。《鑑定》を使いどんなモンスターなのか確認すると、名称はグレートトータスと言うみたいで、そのまま暫く観察するが全く動かなかった。《探知》がなかったら唯の砂場にある岩山みたいに思っただろう。


 ソフィア達をその場に残し俺だけ《フレイムブレス》が届く範囲まで近付いて攻撃を仕掛けてみた。動かないグレートトータスを炎が包み込んでいき、ダメージを与えた途端にグレートトータスが動き出す。だがグレートトータスは動き出したものの、その動きはゆっくりとしていてとても苦戦しそうな相手には見えない。俺は油断なくグレートトータスの挙動を見守っていると、後ろからソフィア達が駆け寄ってくる足音が聞こえた。


「特に大きいだけで、遅いし強そうには見えない」


「でも物理攻撃は硬そうで難しそうです」


「それでしたら魔法で削っていくしかなさそうですね」


 グレートトータスは移動を諦めたのか短い前足を振るって砂を飛ばして攻撃をしてきた。砂の範囲が広く避けられなったが、大してダメージを食らった感じがなかった。あれか、指輪の《結界》の能力のおかげだ。確かそこまで威力のない攻撃は無効化するんだった。だが耐久値があるらしいので出来る限りは攻撃を喰らわないようにしないといけない。


 グレートトータスは移動の遅さから遠距離から取り囲んで魔法で攻撃していく形になった。それぞれが魔法で攻撃していき、暫くしてようやくグレートトータスは灰になっていった。グレートトータスタフ過ぎるだろ。グレートトータスに魔法を使って攻撃している間、別口で襲ってきたフライングフィッシュの対応もしなくてはならず案外大変だった。《探知》がなかったらグレートトータスに夢中になって、海から飛来するフライングフィッシュにやられてたかもしれない。今回補助系のスキルの重要さを改めて感じたのだった。


 その後ホワイトゲートを見つけたので次の6層へ行く。6層に転送されて目に入ってきた景色は草原だった。このダンジョンでの草原は初めてだ。ここも出てくるモンスターはウルフ系なのだろうかと考えつつ草原の中を移動し始めた。すると遠くに見えた敵影は人型をしていて、同じ草原でも出てくるモンスターはウルフ系ではないみたいだ。


 近付いてくると分かる豚の頭をした人型の魔物、鑑定するとやはり名称はオークと出てきた。オークは斧と盾を持ち、更には《斧術》のスキルを所持していた。久しぶりのスキル持ちなので皆に注意を促した。


「オークと戦うの楽しみ」


 スキルのレベル差もあるから圧倒するだろうが、楽しみにしているのでそれは口に出さないでおこう。唯シェリーが魔法しかスキルを取得していないので接近されると不安だ。戦闘はソフィアとアペルに任せて俺はシェリーの護衛をしよう。


「シェリーは俺が守っておくから、アペルはソフィアと一緒にオークと戦っておいで。スキル持ちとの戦いがどういうのか知っておくと良いよ」


「わかりましたです」


 ソフィアとアペルがオークに向かって駆け出す。相手のオークの数は3体居てソフィアが2体、アペルが1体を受け持っていた。ソフィアは以前のホブゴブリンの《剣術》相手に戦っていたので慣れたものだったが、アペルも《剣聖術》のおかげか苦戦せずにオークを斬り伏せていた。あっという間に戦闘終了だ。やはり10層未満だともう敵が弱過ぎるかもしれない。そんな事を考えつつ6層を制覇していく。


 道中ソフィアが1人でオーク3体と戦ったり、アペルも同じように同時に相手取る数を増やしていった。ある程度慣れたからとアペルが俺とシェリーの護衛を交代してくれた。俺もオーク相手に3体同時に戦ってみるが、前にホブゴブリンと戦ったときよりかなり楽に倒せるようになっていた。スコーピオンで多数相手の戦いに慣れたのと当時よりレベルが格段に上がっているのが大きいだろう。


 スキル持ちのオークと戦ってももう得られるものはなさそうだったのでそろそろ帰る事にした。オークと戦いつつホワイトゲートを探す。ようやくホワイトゲートを見つけてダンジョンの外に出た時には外は宵闇に包まれていた。ちょっとダンジョンの中に長居し過ぎたようだ。俺は《暗視》があるからいいけれど皆は持っていない。俺とソフィアで《光明》を使い周囲を照らして街へと帰った。


 今度から帰る時間には気を付けようと思ったのだった。

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