表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/183

ソフィア育成計画

 そういえばソフィアってレベルとかいくつなんだろうと思って聞いてみた。


「レベルは1」


 だそうだ。とすると俺と同じようにオール1なのかもしれない。ステータスも聞くとやはりオール1だった。スキルは《風魔術》だけレベル1あるそうだ。エルフだからか、風系統は最初からあるスキルポイント100を使って取得していたらしい。なら最初は《エアカッター》を使ってもらえば良いか。


 ソフィアは道中に遭遇したスライム、名称はグリーンスライムだった。を何体か倒して、レベル3になった。スキルは《風魔術》以外にはないらしく、《風魔術》のレベルを上げたらしい。装備や魔法の威力のお陰か、石を投げていた時よりあっさりと倒せていた。これならダンジョンに入っても問題なさそうだ。


「ダンジョンの階層だけどどうしようか。俺は2層まで終わったけど、ソフィアは初めてだから1層に行く?」


「一緒だから3層で良い」


 最初はソフィアには見ててもらい、俺が戦って敵の出方を見よう。大丈夫そうだったら、ソフィアにも魔法で参加してもらい、俺は引きつける役をやろう。


 パーティの場合よくある話だと、経験値は公平に分配するか、比率によって分配するかがある。公平分配なら俺もガンガン攻撃できるけど、比率分配ならできるだけソフィアにダメージを与えて貰わないと、ソフィアに経験値が全然入らなくなってしまう。両方試してレベルの上がり具合の違いを見るしかないな。


 ソフィアを連れてダンジョンの入口の黒い膜に入る。いつものウィンドウが出てきて何層に行くか確認してきたが、表示の中に追加でパーティメンバーのソフィアの名前があって、一緒に転送されるとの事だ。


 3層を選ぶと転送され、目の前には草原が広がっていた。ソフィアもちゃんと一緒に転送されたようで、隣に立っていた。


「これがダンジョン?」


 そういえばレベル1なのだからダンジョンに入った事もなかったのだろう。


「1層は洞窟で2層は森だったんだよ。階層によって環境が変わるみたいなんだ」


 ダンジョンの環境は、実際のダンジョン周辺にある環境のものになるらしい。例えば海の近くにあるダンジョンは、海や海辺の階層になるとかだ。今回草原だったのも、このダンジョンの周囲に、岩場と森と草原が近くにあるからだろう。



 草原は見晴らしが良く障害物などもない。モンスターがいたら丸分かりだ。周囲を見渡すと遠くの方にちらほらとそれらしいのが見える。俺達はモンスターが見える方へと進むことにした。


俺は新しいツインエッジを取り出し、鋏形態から武器の形態へ変形させる。ツインエッジは全体的にサイズが大きくなっていた。ツインダガーの時は短剣サイズだったのに比べ、ツインエッジは片手剣サイズだ。片手剣なら間合いも広がり、より戦いやすくなっただろう。


 モンスターの姿形が、ある程度分かるくらいに近付く。遠目からだが、四足歩行の動物タイプのモンスターみたいだ。数は3匹いて、向こうもこちらがモンスターじゃないのに気付いたのか、近づいてきていた。


 モンスターが近くなって、相手が薄緑の毛並みの狼だと分かる。狼を《鑑定》すると、名称はグリーンウルフ。ステータスや所持スキルに特に脅威はなかった。だが、群れて行動している分連携が脅威かもしれない。ソフィアに射程圏内に入ったら、魔法を使うように指示を出し、ソフィアを置き去りにして加速する。


 グリーンウルフは早速3匹で俺を囲もうとしてきた。しかし、後方から《ウィンドカッター》が飛んで来て、グリーンウルフの1匹に命中する。ダメージを負って怯んだグリーンウルフに追撃をして、息の根を止めた。残りは2匹。いつもの具合に、残った片方を《アースシールド》で閉じ込めようとしたら、グリーンウルフは《アースシールド》の上を飛び越えて出てきてしまった。


 グリーンウルフには隔離作戦は効かないみたいだ。なるべく魔法のスキルしか持っていないソフィアには近付けたくない。多分接近されたら厳しいと思う。


「ソフィアは左を、俺は右をさっさと片付ける!!」


「わかった。《ウィンドカッター》!!」


 俺も左のグリーンウルフに《ファイヤジャベリン》を放ち牽制しつつ、右のグリーンウルフと向かい合う。グリーンウルフはもう1匹と連携が取れなくなると、勢いに任せて飛び掛かってきた。前足の爪で攻撃してくるが、その前足ごとツインエッジで斬り落とし、グリーンウルフの身体を避ける。


 ソフィアの方を確認すると、グリーンウルフは《ウィンドカッター》で切り刻まれてボロボロだった。これならもう俺が手を貸さなくても倒せそうだ。俺は地面に倒れ伏しているグリーンウルフに止めを刺して、ソフィアの戦いを観戦した。


 ソフィアは上手く《ウィンドカッター》でグリーンウルフを誘導して回避させ、避けられないタイミングを狙って少しずつ当てていたみたいだ。次第にグリーンウルフは怪我のせいか動きが鈍くなり、《ウィンドカッター》を避けられなくなっていった所で、止めとばかりに複数の《ウィンドカッター》を喰らい灰になっていった。


 うん、これならある程度の強さのモンスターでも、1対1なら大丈夫だろう。ただ気になるのは、結構な数の魔法を使用していたので、魔力切れを起こさないかどうかだ。


「ソフィアは魔力の残りとかは大丈夫?」


「まだ大丈夫」


「それじゃ魔力が少なくなってきたら教えてね。危なくなる前に早めに休憩を取りたいから」


 その後、暫くモンスターと戦い続けたが、ソフィアから魔力が無くなりそうという話は出てこなかった。ソフィアのレベルも順調に上がっていて、魔力の総量も増えているのだろう。更には種族的なものから魔力の総量も多いのかもしれない。


 戦闘もいくつか試してみて、俺だけでモンスターを倒しても、ソフィアのレベルが上がった事から、経験値の取得については公平に分配されるっぽい。それが分かった後は、俺もモンスターに手加減無く攻撃していった。


 ソフィアのレベルが上がって、《風魔術》がレベル5になると《ウィンドストーム》が使えるようになり、より戦いやすくなった。《ウィンドストーム》は竜巻を起こす魔法で、俺の《エクスプロージョン》と合わせれば、纏めてグリーンウルフ倒せるようになったからだ。


 3層は特に危なげなく戦えるようになったので、次に進もうと出口を探す。遠くの盛り上がった丘にそれらしき物を見つけ、そちらに向かう。


 丘に辿り着き、ソフィアと相談して4層へ進む事になったので、ここで休憩を取る事にした。モンスターにさえ気を付ければ、見晴らしも良く風が気持ちいい。完全にピクニック気分だ。お弁当とかあれば良かったかもしれない。今度シェリーに頼んでみよう。


 休憩中にステータスを確認すると、俺はレベル21、ソフィアはレベル8になっていた。スキルポイントが増えて、《剣術》の上位スキル《双剣術》が取れるようになった。《双剣術》はレベルが最大5までだが、レベルを上げるごとに使える技が増えるみたいだ。ただ、取得に使うスキルポイントが多い。今取得したらスキルポイントがほとんどなくなる。まだ4層へ行ってレベルは上げる予定だけど、余裕が出来てから取得しよう。


 そういえば《剣術》のレベルを10にした時の新しい技をすっかり忘れていた。4層に行ったら試そう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ