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フレイムレオファントム

 目的の場所に辿り着くと、そこではやはりボスであろう燃え盛る炎のような獅子、フレイムレオファントムと、《探知》で反応が増えた通り、分身体のレオファントム2体を相手に、冒険者らしき男達が戦っている所だった。


 しかもその鋼鉄の鎧を身に纏った男達には見覚えがあった。昨日のジャイアントサーペントを一緒に倒した鋼鉄の旅団だった。


「くそっ、1体だけだと思って相手していたのに増えるとは聞いてねーぞ!」


「しかも増えた相手も強いってどういうことっすか」


「団長が本体を抱えている間に他の2体を倒すんだ!」


 鋼鉄の旅団はフレイムレオファントムをリーダーの両手剣使いが相手している間に分身体のレオファントム2体を先に処理していくみたいだ。


 大柄の男が片方のレオファントムを抱え込み、もう片方を盾と短剣の男と魔法使いの男が一気に叩く。最後の1人はそれぞれの回復をしてサポートをしていた。


 これならなんとかなりそうだなと思っていた。しかし、分身体のレオファントムを倒したまでは良かったが、すぐに分身体が再出現して彼らを襲い始めた。


「駄目っす!増えたやつを倒しても埒があかないっす!」


「馬鹿野郎!なら本体を出来るだけ叩け!」


「了解っす!」


 分身体を倒しても再び分身体を出されるだけだと気付いた彼等は本体に攻撃の狙いを定めた。分身体のレオファントムの相手をしつつ、本体のフレイムレオファントムに一撃を入れていく。そんな難しそうな立ち回りを盾と短剣を持った男は軽々と行っていた。魔法で遠距離から狙うならまだしも、その男は本体のフレイムレオファントムに《シャープスラッシュ》を放った。その後は分身体のレオファントムの相手をしながら本体のフレイムレオファントムから徐々に戦う場所を離していき、ある程度離れたらレオファントムを怯ませその隙にフレイムレオファントムに近付き一撃を見舞う。それを繰り返す事によってレオファントムを抱え込みながらも本体のフレイムレオファントムにダメージを与えていった。


 大柄の鎧の男は分身体のレオファントムを抱え込むので精一杯みたいだった。魔法使いの男は完全に狙いを本体のフレイムレオファントムに定めて《ウォータースプラッシュ》を放っていた。回復役の男はリーダーの方を気にしつつも、主に大柄な鎧の男の回復に集中していた。


「団長!まだっすかね!?」


「うるせえ!見りゃ分かるだろ、もう少しだ!」


 盾と短剣を持った男の活躍もあるが、両手剣使いの男の奮闘もあり、フレイムレオファントムは既に満身創痍となっていた。


「これで終わりだ!お前ら俺に続け!」


 最後の止めとばかりに両手剣使いがフレイムレオファントムに技を繰り出した。それに続いて全員が攻撃を加えていく。


 大柄の男はレオファントムの相手を放置して、本体のフレイムレオファントムに突撃していった。盾と短剣の男もそれに続いて《シャープスラッシュ》を放ち、魔法使いの男の《アイスランス》が止めとばかりにフレイムレオファントムを貫いていった。


 レオファントムが動かなくなったと思ったら消滅した。それと同時にフレイムレオファントムも灰となって散っていった。


 戦いが終わったので俺達はその場を去ろうとした。だが両手剣使いに見つかってしまったようで呼びかけられてしまった。


「よう!そこに居るのは昨日のパーティーじゃねーか。まさかボスとの戦いを見てたのか?」


「ええ、近くを通ったらちょうどボスと戦われてたんで、ちょっと見物させてもらいました」


「チッ、それなら手伝ってもらえば良かったぜ」


「そうっすね、そうすればもっと楽が出来たっす」


 どうやらこの2人は乱入されても良いから楽がしたいらしかった。それが分かってればソフィアなんかは喜んで参戦していた事だろう。だがフレイムレオファントムは既に倒された後だ。今更そう言われてもどうしようもない。


「そういえば次に会った時はちゃんと自己紹介しようと思っていたんです。俺は神楽坂翔二です、よろしく」


「ああ、そういえば名乗っていなかったな。俺はリディックだ、よろしくな」


 そしてソフィア達の紹介もして、鋼鉄の旅団のメンバーとも挨拶した。


「オイラの名前はベイルっす、よろしくっす」


 盾と短剣の男はベイルというらしい。先程の立ち回りは凄かった。俺も見習いたい所だ。


「俺はグレイノースだ。団長の補佐をしている、それと団長は口は悪いが悪い人じゃないから、そこの所も踏まえてよろしく」


「僕はエミリオと言います。昨日のソフィアさんの魔法に感銘を受け《氷魔術》を取得しました。よろしくお願いします」


「ネロスコード。シェリーさん、昨日はありがとう」


 大柄の男がグレイノース、魔法使いがエミリオ、昨日倒れていた回復担当の男がネロスコードというらしかった。


「俺達は次の階層に向かうが。ショウジ達はどうすんだ?」


「俺達も次の階層に行きますよ」


「そうか、なら一緒に行こうぜ。俺達はこの層のボスで疲れたから、もし次の階層でボスと出会したらそん時は任せた」


 なるほど、そういう目的か。まあ、断る理由もないし、俺達は鋼鉄の旅団と一時的に一緒に行動することになったのだった。

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