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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第218話 第二聖女31

 管理局側の男は、すぐには答えなかった。

 視線が動く。

 横を見たり、後ろを見たり。

 管理局側同士で、一瞬だけ。

 時間を作ろうとしている。


(相談した)


 でも。


(反対できない)


「……異論はありません」


 静かに口を開いていた。

 慎重に。


「ただし」


 来た。


(条件)


「監査実施には準備期間が必要です」


 男は続ける。


「関係資料整理」


「監査立会人選定」


「記録照合」


「王国側調整」


 一つずつ。


「最低でも二週間は必要でしょう」


 空気が少し冷える。

 二週間かぁ。


(長い)


 二週間。

 長すぎる。


(消える)


 ボクは思う。


「随分とかかりますのね」


 アデリナ様が少し微笑みながら問いかける。

 静かに。

 でも冷たい。


「南区は現在進行で混乱していますのに」


「だからこそです」


 男が返す。


「不完全な監査は」


「さらなる混乱を招く」


 また同じ。


(繰り返してる)


「加えて」


「監査対象が“南区配給全体”となれば」


 一拍。


「相応の規模になります」


 逃がしていくように、理由を説明していった。


「つまり」


 王国側文官。


「監査開始まで二週間以上必要である、と」


「現実的には」


 男は少し間を置いた。

 そして頷いている。


「三週間程度でしょうな」


 長くなった。


(増えた)


 ボクを見ている。

 ただ神官が顔をしかめて、文官は眉を寄せていた。


「……なるほど」


 ザスキア様が頷いた。

 表情は変わらない。


「その間」


 一拍。


「南区配給はどう維持するのですか?」


 男が止まる。


「……管理局にて対応します」


「現状の体制へ戻すと?」


 王国側文官が問いかける。


「ええ」


 男は頷いた。


「段階的に正常化します」


(戻す)


 ボクは分かる。


(隠す方へ)


 管理局のやりたいように。


「では」


 ザスキア様が問いかける。


「第二聖女側介入停止を求めるのですね?」


「監査中は」


 淡々と男が返す。


「不要な混乱回避のためにも」


「統制一元化が望ましい」


 その言葉は、静かだった。

 でも。


(そこ)


 本命だろうね。

 止めたいんだろうね。

 今を。


「……なるほど」


 アデリナ様が小さく息を吐く。


「つまり」


「監査開始までの間に」


 一拍。


「現状を管理局側のみで再整理したい、と」


 男は答えない。

 でも。


(当たり)


 ボクは見ていた。

 指先。

 視線。

 止まり方。


(急いでる)

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