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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第215話 第二聖女28

「市場流通は常に変動します」


 少しして管理局側が言葉を発した。

 男は続ける。


「特定地域への供給減少も珍しくない」


「加えて」


 視線がこちらへ。


「第二聖女による急激な配給変更」


 ボク達を糾弾するように。


「無秩序な流通拡大」


「優先列の解体」


「これにより需要予測が崩壊した」


 淡々とボク達へ言い放っていく。

 しかも、速い。


(戻した)


 責任を。

 なんとしても、ボク達に押し付けるため。


「結果として」


「商人側が供給を控えた可能性は十分にある」


 王国側文官が小さく眉を動かした。


「つまり」


「供給減少は市場反応であると?」


 アデリナ様が尋ねる。


「ええ」


 男は頷く。


「第二聖女側介入による混乱」


「その余波です」


 静かに言葉を。

 でも。


(押してる)


 アデリナ様が口を開いた。


「では」


 微笑みながら、質問を投げかけた。


「停止命令後に商人への通達が行われた件は?」


 男の視線が止まる。


「……何のことでしょうかな」


 とぼけている。

 表情も変わっていない。


「営業停止」


「罰金」


「登録剥奪」


 一つずつ。

 あの店主に見せてもらった内容を述べていく。


「これらを含む文書ですわ」


 空気が少し動く。


「商人達は同一内容を受け取っています」


「偶然ですの?」


 男は返さない。

 代わりに。


「正式文書ですかな?」


 切り返した。

 まるで嘘だって言いたいみたいに。


「写しは?」


「発行記録は?」


「提出可能ですかな?」


 来た。


(そこ)


 証拠へ戻した。


「現場確認済みです」


 アデリナ様が動揺することなく、淡々と。


「確認ですか」


 ただ、男が被せていった。


「つまり、正式記録ではない」


 平然としたまま、アデリナ様の発言を否定した。


「証言のみで、及び民間側主張しかないのですか」


 それどころか薄ら笑いを浮かべている。


「第二聖女は」


「憶測によって管理局を糾弾している」


 神官達がざわつく。

 記録係が顔を上げている。


(押し返した)


 ボクは見ている。

 でも。


(弱い)


「じゃあ」


 ボクは口を開いた。

 考えを変えてみる。


「止めてないんだ」


 男は少しだけ目を細める。


「ええ」


 そして肯定していた。


「管理局としては」


「市場介入を行っておりません」


 男が言った言葉。


「なるほど」


 短く。


「じゃあ」


 一拍。


「今から確認してもいい?」


 ボクが言い放つと、空気が止まった。

 指が止まっている。


「……何をですかな」


「商人、配給、流れ」


 短く。


「止めてないなら、困らないよね」


 ボクは笑みを浮かべながら問いかける。

 会議室が沈黙する。

 王国側文官が、ゆっくり視線を上げた。

 神官も、見ていた。

 管理局側を。

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