小学校への道 その1
≪陽子≫
ちびたちは来年から小学校へ行く。それには役所でいくつか手続きがいるらしい。本当は親の書類が要るのだが、最近は特別な事情がある場合はそれなりの手続きで済むという。役所の書類に詳しい者という事で、親分さんの所の法務担当の男に手伝ってもらった。
まず、私と3つ子の書類を用意して、母親失踪で叔母にあたる私が保護者という『設定』を簡単に説明して、入学に必要な手続きを調べてもらった。そのうえで、市役所に行って、なんとか課というのをいくつか回った。申請書みたいなのを何枚か書かなければならないが、それで入学できることがわかった。あとは私の収入関係の書類。ケーキ屋の仕事をしていて良かったよ。役所の方の処理が終わったら連絡があるらしいので、その時はまた行かなければならないらしい。まあ、これであいつらは4月から小学生だな。その前に小学校から連絡があるかもしれないみたいだな。
―――――――――――――――――――――――
≪太志≫
来年は3つ子たちは小学生。それには役所や学校の手続きが要るはず。らいむちゃんに調べてもらうつもりでいたんですが、陽子さんは親分さんの所の行政書士?に相談したみたいです。今日は朝から市役所へ行きました。どうやら半日あちこちの課を回らされたみたいです。それでもひととおり手続きができて、特に問題が無ければ小学校に入学できるらしいです。最近は借金やらDVやら児童虐待やら育児放棄やら・・・複雑事情家庭って増えているから、なるべく学校に行けない子どもを出さないような救済ルートが作られているみたいです。らいむちゃんが書類偽造の時に創作してくれた設定がうまく作用したみたいです。そうなれば、次は入学の準備ですね。
しかし難しそうなのは小代ちゃん。年齢から行くと2年生になりますから、転入になるんですよね。そっちの方の工夫が要りそうです。
良い方法がないからいむちゃんに検討してもらいましたが、1年生は不登校で全欠として、そのあたりのケアが厚くない私立学校にまぎれこませて、年度がわりぎりぎりに転校にすると、学校関係の書類の照合が難しくなりそうだと。その前に、まず小代ちゃんを『書類上』存在させなきゃいけないみたいです。やはり最大の課題は生育歴と保護者のようです。両親死亡後、養育のことで親戚を転々というシナリオを考えたみたいですが、現在の保護者をどうするか。
らいむちゃん。陽子さん経由で親分さんがらみの裏仕事が来てるそうです。なにやら「親会社の重役の奥さん」が違法滞在なのを何とかして欲しいというのです。らいむちゃんの案は、在留が切れる前に2人が結婚したことにして、届けがちゃんと処理されていなかった事にするというのですが・・・実際に前から2人は同居してるんだから、届けの時期の問題だけじゃないかって。これがうまく行きそうなら、それと合わせて小代ちゃんの保護者を捏造できそうだと言うのですが・・・組織の圧力で関係者の口裏合わせ・・・という感じになるのでしょうか。
小学校に行かせるって、マジに考えるとたいへんです。これでも都合良くかなりテヌキしてます。




