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「ウェポンチャンネル!」〜剣豪ギャルと鍛冶師のおっさんコンビで、有名ダンジョン配信者を目指します〜  作者: ジェイト
3章 頑張れ!治癒ネズミ編

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第21話 運と度胸のダンジョン

毎週月曜日の朝に定期更新。

筆が乗ったら不定期に追加更新してます。

 ダンジョンの話をしていると、インゴットはふと思い出す。

 そういえば、若者の間で度胸試しに流行っているダンジョンがあったな……と。


 自分と行くかは別として、ひとまず思いつきを提案してみる。


「治癒ネズミさんは[運否(うんぷ)天賦(てんぷ)の地雷迷宮]をご存知ですか?」

「……? いえ、初めて聞きました」


 [運否天賦の地雷迷宮]──近頃、若者の間で流行っている難易度☆3のトラップダンジョンだ。

 名前が示す通り、地雷が地中に埋まっており、運が良い者は踏まず、運が悪ければ爆発して強制帰還(デスリターン)で戻される。

 このダンジョンで手に入る報酬は、難易度に見合って豪華な物だ。


「そうですか。度胸をつけたい、というのであれば最適なダンジョンかなと思いまして」

「なるほど……。でも、その……わたし……」


 治癒ネズミは少し考えた後、言い淀む。

 けして急かさず、インゴットは返答を待った。


「……わたし、ダンジョンでは足手まといなんです。スキルが治癒士(ヒーラー)だから……」

「それは……」


 近年では薄まりつつあるが、つい数年前までは()()()()()という社会的な問題が存在していた。


 この世界のダンジョンにおいて、自分や味方を回復させる技というのは軽視されやすい。

 軽い怪我であれば薬師(くすりし)の作った回復薬、つまりポーションなどで事足りる。

 瀕死の怪我は、そもそも瀕死の状況になる瞬間に強制帰還(デスリターン)が発動するので、治す機会が無い。


 ☆4や☆5の高難易度ダンジョンでは、ダメージを伸ばすことに特化した攻撃役や、盾役、味方の火力を上げる強化役で構成された火力編重のパーティーばかりが結果を残している。


 つまるところ、

 「瀕死になっても入口に戻されるだけなんだから、回復より殴った方が良いよね」

 という、脳筋プレイが主流なのだ。



 スキルは、生まれ持った先天性の能力だ。


 これが欲しいあれが欲しいと望むものではなく、また努力によって獲得するものでもない。


 故に、回復のスキルを持っている者は、火力に直結するスキルを持っている人よりも劣るとされ、差別的な扱いを受けることが多かった。



「そうでしたか……」

「……はい。学生時代に、その……いじめってほどではないんですが、こんなわたしとじゃ誰もパーティーを組んでくれなくて」

「……」



 インゴットもまた、自分のスキルを振り返る。

 ダンジョンに鍛冶師(スミス)なんていらない。

 そう、言われ続けてきた。


 もっともだ。


 武器を作るなら安全な所で時間をかけて作れば良い。

 武器を使うなら持ち込めば良い。


 パーティーを組んでくれる人がいないから、インゴットはソロでダンジョンに潜っている。


 同じ不遇スキルを持っている治癒ネズミの境遇に、インゴットは共感を示していた。

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