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ヒナ・ウォレン

エドワードとヒナは仲の良い兄妹になった


秀才の兄は自分の驕りや怠慢を捨て

努力を怠らない真っ直ぐな妹を溺愛し

そんな兄を鬱陶しいと思いつつも

妹の為に泣く素直な性格の兄に少しずつ心を許す


二人が変われたのはまだ若く

柔軟だったからかもしれない


やがて二人は成長し

エドが15になり

魔法学校へ入学する事になった

「嫌だ!行きたくない!ヒナと離れたくない!」

「何言ってんだ!バカ兄!……私も行くから!

2年後!絶対!」

「本当か?……分かった!ヒナが居やすい学園を

俺が用意してやる!」

少しゴタゴタがあったが何とかエドは

魔法学校へ入学した


しかし

13歳のヒナは今だに無属性

魔法学校への入学も怪しい


そんな出来損ないの妹に

向けられる視線は鋭く痛い


とある夜明け前

ヒナは目が冴えて眠れない

朝まで少し時間があり

魔力操作の瞑想をしようと

顔を洗いに部屋から出て

1階に降り廊下を歩く

水道がある調理場へ向かう


調理場の明かりはついていて

声が聞こえてくる


「お可哀想に…」

「私達がヒナ様を支えなくては!」


使用人達がヒナの話をしていた


「でも本当なのか?『呪い』というのは…」

「えぇ、私も最初は疑ったのよ?でも…

エドワード様を学校へ送り出す夜に

飲み過ぎていたご主人様に

薬を用意しようと部屋を後にしたら

奥様とそのような話をしていたわ」

「あの噂は本当だったのか…」

「この話は辞めましょう…聞かれた大変よ…」


「ねぇ…その『呪い』って何かしら…」

暗い表情のヒナが調理場へ顔を出す


「ヒナ様!……何の事でしょか…」

「お願い…話して…」

使用人と調理人が顔を見合わせ覚悟を決める


ヒナは2人から話を聞いた


ウォレン家には本家と

多くの分家が存在する


分家には優れた者が産まれるのが極端に少なく

エドワードとヒナの産まれ育ったウォレン家は

一度も優れた者が居なく

同じ一族でも虐げられていた


悩んだエド達の父は

ある闇魔法に手を染める

「サクリファイスー犠牲ー」

この魔法は一つの命を犠牲にし

犠牲にした者の魔力や才能を術者に与える


父は何も知らない2歳の息子エドに

母親のお腹にいた子供ヒナを犠牲に力を与える為

魔法を行わせる


黒魔術は成功し

エドの魔力は膨らみ続ける


しかし誤算があった

お腹の子は死ななかったのだ


「コレは…どういう事なんだ?」

父が黒魔術を教えた魔術師に聞くと

「死ななかったようで……それは大変珍しい

お腹の子が1人以上または

数人分の才能の持ち主と言うことです」


父達が欲しがっていた

優れた者がお腹にいたのだ


子は産まれ、育った

ヒナが育つ度に父と母は

この子を殺そうとしたという

罪の念に押しつぶされる


ヒナに向けられてい視線は

蔑みの視線では無く

自責の視線だったのだ



話を聞いたヒナは走り出していた

涙がポロポロとこぼれ落ちる

歯を食いしばり裸足で土を踏み進む

「(私は産まれるべきだったの?

今までの努力は何だったの?

私が1番…私を知らない…)

私は…何にもなれない……」


立ち止まるヒナ


「(それでいいの?)」


ゆっくりと歩き出す


「(嫌だ…腐りたくない…)」


「私は!まだ全て奪われていない!」

叫ぶヒナ

「私は!」

「クソみたいな運命を受け入れたりしない!」

弱い自分を鼓舞するかのように叫ぶヒナ

朝日が登りヒナを照らす

深呼吸して……振り返る

手を強く握り、帰路へ着く


父や母には『呪い』の話を聞いた事を言わなかった

「(自責の念に潰されればいい)」

無属性魔法に磨きをかける

「(兄に勝ったのは努力の成果だ)」


努力し続け…

とうとう15歳

魔法学校へ入学する為の試験を受ける

だが使えるのは無属性魔法のみ

試験管に嘲笑われるが

「ショット!」

試験管が用意した土人形を木っ端微塵にする

周りを見ても、同じ様に壊している生徒は居なかった

試験管や先生方が集まりだし話を始める…


結果は…

ノーマルクラス

4つあるクラスの一番下

だがヒナは気にしない

ここから這い上がればいいのだ


入学したその日に兄がやってくる

「入学おめでとうヒナ!」

沢山の花、料理でもてなす兄

「(この様子だと兄は『呪い』を知らないのか…)」

「ありがとう!エドお兄様!」



数カ月後…

新入生戦闘魔法大会が開かれた

這い上がれるチャンスを生かすため

全力で大会を勝ち上がる

とうとう本戦へ出場し

シエルと戦い…負けてしまう

だが良い試合だった

試合後はモナカの母の料理を食べて

なぜだか幸せを感じる

それまで殺伐していたヒナは落ち着きを取り戻す


大会が終わり

兄に連れられ寮に戻る

「残念だったな…ヒナ…来年があるさ…」

「来年………なー兄貴…知ってるか?

ノーマルクラスの人は1年学校で学んだら

そこで、お終いなんだって…

自主退学を勧められるんだって…」

「いやいや!ヒナは本戦に出場したじゃないか!」

「……私はどうだろうね無属性だし…(やめて)」

「ヒナ…」

「兄貴は私の『呪い』って知ってる(だめ…)」

「『呪い』?」

「やっぱ知らなかったんだー(いけない…)」

「何のことだ…」

「私が無属性なのって…

兄貴のせいなんだょね(だまれ!)」

「は?」

「アンタの才能は私の才能って事!

(ごめんなさい…)」

ヒナは自分が聞いた事を兄に話す

絶望する兄


そこから2人は会うことは無い


悩む兄


そんな兄に声をかける者がいた

神父ウィルだった

「貴方の悩みは…私が解決できますよ」

ウィルは自分の実験を兄に教える 


その実験とは

人の魔力を他者に移すというものであった

「この実験の成果を使えば

貴方に移された妹の魔力を返す事ができますよ」

「なぜ、その事を…」

「私には未来が見えるのです

手伝って……くれますね?」

その甘い言葉は兄…エドの心を掴む


数カ月後

ウィルの実験を邪魔するものが現れる

「あと少しなんだ…卒業前に…」


シエル達の目の前にエドは立ち塞がる


地下通路にて

モナカ、ダイヤ、モンドを瀕死に追い込む

3人にトドメを刺す瞬間

1人新たに現れる

アルバート・ルシウス……

「お待たせ」


「邪魔を…

邪魔をするなーーーーーーーー!!」






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