一学期終業式
夏休み前…
テストが返却され
同級生が笑っていたり悩んでいたり
各々反応を見せる
「点数ヤベー!シエル!モナカ!どうだった?」
カインは点数が低かったのだろう
青い顔をしてコチラを伺う
「ワ、タシワダイジョウブニヤー」
「嘘つけ!モナカ!テスト見せろ!」
「クイックテンポ!」
「あ!逃げた!」
「シエルはどうかなー」
カインがシエルのテストをのぞき込む
「何でそんな点数高いんだよ!」
「カイン…ちょっとテスト見せて!
……小さいミスばっかりだね、
ミスが無ければ同じ様な点数だと思うけど…」
「そうなん!?うーん…筆記テストは苦手だなぁ…」
テストの結果、
ギフテッドクラスのトップはクリアだった
同級生からは一目を置かれていて
ソレに応えるようにクールな態度をとっていた
「(クリア…)」
シエルはそんな態度のクリアに
同級生達が離れて行くのではないかと心配していたが
心配とは裏腹に同級生達はクリアに声をかけていた
「あの…クリアさん…
ここ教えて欲しいんだけど…今大丈夫?」
「……!えぇ!大丈夫ですわ!
何でも教えますわよ!」
「ありがとう!…ごめん、クリアさんって怖い人だと思ってたけど、すごい優しいね!」
「そう思っていただけて嬉しいですわ……
さぁ何を教えます?」
「えっと…ーーーーー」
数日後…
終業式、
学校内の大広間で全校生徒が
校長先生の話を聞き終わり
荷物をまとめて帰るために各々クラスに戻る
「アルバート居ないニャー」
モナカは終業式にアルバートが来るだろうと思い
探すが見当たらない…
「モナカ!教室戻ろう、皆戻っちゃったよ?」
大広間にモナカとシエルだけが残る
「う、うん…アルバートに会いたかったんだけど…」
二人が大広間を出ようとした時
出入り口とは反対側の扉から
「バタン」と大きな音が響く
二人は驚き振り返るとそこには
ボロボロになったアルバートとアリシアが
ヨロヨロと大広間に入ってきた
「え!アルバート!アリシア!大丈夫?」
ボロボロの二人に駆け寄る
「大変ニャ!どうしよう!」
「大丈夫だよ…モナカさん…落ち着いて…」
擦り傷だらけで、しかも血のついた服のアルバートが
焦っていたモナカを落ち着かせていると
「遅かったが…100体倒したのか…まぁ合格だな」
後から校長が現れる
「100体?アルバートは何かと
戦っていたんですか校長先生?」
「あぁそうだよシエルくん…
アルバートは私の指導を受けていたのさ…」
校長は微笑む
アルバートの指輪が光り出し大剣が現れる…
「おや…」校長は眉をひそめる
「しつこいぞ!アスモデウス!戻ってろ!」
アルバートの怒号に反応し大剣は指輪に戻る
「上出来だ…
武器に自我を奪われず抑えきっているね…」
「ここは…?」
倒れていたアリシアが顔をあげる
「アリシア!どうやら合格したようだぞ!」
嬉しそうにアルバートは報告する
「おめでとうございます!アルバート!
…しかも、ここまで私を運んで来たのね…」
校長に言われ
シエルとモナカは
アルバートとアリシアを保健室に運ぶ
「二人とも、大丈夫かな?」
「保健室のライライ先生も
大丈夫って言ってたから…きっと…」
教室に戻るとカインが荷物をまとめていた
「シエル!モナカ!帰ろーぜ!…んどうした?」
モナカは家に帰り
シエルとカインは寮に戻る
「明日から夏休みだーー」
学校の荷物を部屋に片付けながら話す
「カインは実家に帰るんだっけ?」
「そうなんだよー、
シエルはダンジョンか…頑張れ!」
「ありがと!」
「さぁ!一学期最後の夕御飯食べに行きますか!」
カインは部屋を後にし、お手洗いへ向かう
部屋にはシエル1人…
「(アルバート…決勝の時とは別人みたいに強くなってた様な気がする……たった一ヶ月で…
明日からのダンジョン探索…
気合い入れて行かなきゃ!!)」
拳を握り部屋を出る




