エルフの村
そよ風が吹く。
気持ちいいなぁ。
「何考えてるの?さっきの家に置いてきた人の事?」
カモミールさんが聞いてくる。
「今は、違いますよ…。アンは心配ないと思うので。じゃなくて、ただ単純に移動手段が徒歩しかないのかなって疑問に思っただけなんですが…。」
「さっきも言った通り、秘密の場所に行くので、出来るだけ人を減らしたいんだよね。…って疲れてないみたいだね。」
おかしいな?と首を傾げているカモミールさん。
「まあ、いいか…。これ食べなよ。」
カモミールさんがクッキーを差し出していた。
「異世界から来たんだもんね、そのくらいの例外はあるかもだよね。」
俺はもらったクッキーを食べる。
しばらく草原を歩いている気がする。
「これから森に入るからね。ちょっと魔物が出るかもだけど、大丈夫だよ。」
カモミールは先端に青い石が付いている大きな杖を持つ。
原理は分からないが、魔法を使うのに便利なのだろう。
「そういえば、ミライって私には敬語だよね。どうしてかな?」
「…依頼主ですし、恐らく年上だと思うので…。」
「どうして?そう思うのかな。」
「貫禄っていうか、何か違うんですよね。オーラってやつ?大人って感じがします。」
「そっか~。」
「まあ、疲れてないのならペースを上げても大丈夫だよね。」
今まで俺に合わせてゆっくり移動していたのだろうか。
しばらくして森に入る。
道なんて無い…方向が分かっているのだろうか?
「何回か来てるからわかるよ。迷ったりしてないから大丈夫。」
俺の不安げな表情が出ていたのだろうか。
カモミールさんが説明する。
時々茂みに隠れながら移動する。
ゴブリンがいたが、隠れた。
極力戦いたくないらしい。
体力使うもんな。
「もうちょっとだよ。」
大きな木のあたりで俺たちは止まった。
「ここが入り口なんだ。」
入口?
カモミールさんは詠唱をはじめた。
目の前に光の魔法陣が現れる。
****
そこは村だった。
エルフの村。
見つからないように仕掛けがしてあるらしい。
それで秘密の場所か。
最近はエルフも珍しくないみたいで、差別も無くなってきたと聞いた。
でも…隠れて暮らしていきたい人々もいるのだ。
人間に荒らされていない場所。
ここならあの花もありそうだ。
奥にいるエルフ達が目に留まった。
数人でざわついている。
あ…俺かな?
人間にしちゃ怖い顔してるしガタイもいいし?
久々の視線が…痛いかも。
と思っていたのだが。
少し違っていたらしい。
「カモミール、人間を連れてくるとは、聞いていないぞ。」
槍を持った金髪男性のエルフがカモミールに怒っていた。
門番的な感じなのだろうか。
「え~ごめん、ごめん。そんなに怒らないでよ。コリン、彼悪い人じゃないしさ。」
「それでも、人間ってだけで怯える者もいるんだぞ?」
「…ごめんてば。」
カモミールはコリンに向かって手を合わせる。
「連れてきたのだから仕方ない。気を付けて行動してもらう。」
すこし、周りの目が気になるが仕方ないのだろう。
エルフの監視の元、俺は無事に村に入る事が出来たのだった。
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