三話
戦闘とかはしばらく後になります。
もうしばらくお付き合いください。
「すいません、新兵採用の志願で来たのですが。」
詰所の兵士に声を掛けた。
ヒゲ面のおっさんだった。だが、中年らしくない鍛えられた身体が軍服の上からでも分かる。
「ん? おお、志願者か、分かった。一応ボディチェックはするが、今武器を持っているなら全部出してくれ。」
・・・武器、これか?
俺はバイクのサドル下から応急修理の工具を取り出し、詰所のカウンターに置いた。
レンチやドライバーは武器になるかもしれないからな。
「これぐらいしか無いかな。」
兵士が金属探知器を片手に詰所から出てきた。
って、おっさん身長高えなオイ。
「よし、それじゃ両腕を水平に挙げてくれ。」
兵士の指示に従い、俺は腕を挙げる。
「・・・・・・オーケー、通っていいぞ。採用試験は真っ直ぐ行った突き当たりのグラウンドでやってる。
そこにいる受付の兵士、赤い腕章の奴な。そいつに話をしとけ。
あ、そうそう。バイクはそこのスペースに停めとけ。」
兵士は入ってすぐ右のスペースを指した。
「分かった。」
俺はバイクを停めてグラウンドに向かった。
グラウンドに着くと、オリーブドラブのコンテナが即席の机にされ、赤い腕章の兵士が何やら他の志願者らしき数名に対応していた。