今日もお茶がうまい
最終話です。
カランカランカラン
「親父、素泊まりしたいが、部屋は空いてる?」
「やっぱりや!!!」
カイは頭を抱える。
アストリッドは、青いカップをカイにそっと手渡すと、お茶とお菓子を指差して、
客の方に向かった。
(あ、今日はまだお茶もお菓子も食べてへんかったな……)
カイは、新しく備え付けられた白いカップにお茶を注ぎ、
お菓子を持ってカウンターに座る。
その姿を横目で見たアストリッドは、
この鈍感すぎるお医者さんには、
自分の瞳の色のカップをプレゼントするくらいではちっとも気持ちが伝えられない……
と、小さくため息をつく。
(でも、そんなゲルツェン先生だからこそ、わたくしは……)
「うん!今日もお茶がうまい!」
いつも通りのカイの元気な声にハッとして、アストリッドは思わず微笑む。
そして、宿屋の親父として、
客に部屋の鍵を渡し、飲み放題のお茶とカップを指差し、
フンスと胸を張る。
チラリとカイを見ると、カイもアストリッドを見ていて、
二人でそっと、幸せな気持ちで頷き合ったのだった。
(完)
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
このお話の続編
『続・元公爵令嬢の小さな宿屋―私を抱き寄せた年下の町医者にぬいぐるみを作ってもらいました。』
公開しました。
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n4988mu/
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※『元公爵令嬢の小さな宿屋』本編が、完結済み注目度ランキング30位に入りました。
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【本編】
『元公爵令嬢の小さな宿屋―年下の町医者が、客でもないのに今日も会いに来ます』
https://ncode.syosetu.com/n8605mt/




