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本日も異常なし

カイは立ち上がろうとして、ふと振り返る。


「なあ、そこの茶髪のお兄さん、肘、悪いんちゃうの。

悪化すると面倒やで。次に王宮に行ったときに診るから声掛けて。」


栗色の髪の美青年は黙って目を見開き、頭を下げる。

カイは振り返りもせずにヒラヒラと手を振り、ヨハネスの横を通り過ぎざまに呟く。


「自分も治ってへんやん――」


一瞬トンとヨハネスの胸に指を当てて何かを唱えたが、

それ以上は何も言わずに、アストリッドに手を差しだした。


「カップ探し行こ!」


「はい!」


アストリッドは輝くような微笑みを浮かべると、

急いで髭と帽子をつけ、カイの手を握る。


ヨハネスは美麗隊たちに撤収の合図をする。


「宿屋の親父が、町医者の青二才とカップを買いに来ただけだ。

本日も異常なし。戻るぞ。」


カイはもう振り向きもしない。

アストリッドはヨハネスたちに会釈をすると、祭りの人混みに消えていった。


重くないお話もあります。

『【♨何も起きない平和保証】女子校の親友二人が、今日もどうでもいい話をしている』

女子中学生の親友二人が、本当にどうでもいい話をしているコメディです。

https://ncode.syosetu.com/n8295mt/


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