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第三話 「近すぎる距離」

どうもyさんです。

そろそろ前書きなに書こうか迷ってます。

え?早すぎだって?

知らん!

まぁとりあえず、第三話どうぞ。

昼休み。


教室は騒がしかった。


笑い声。

机を動かす音。

誰かのスマホから流れる動画。


そんな中。


「……なんでいる」


ユウは目の前を見ながら言った。


「暇だから」


白瀬ミナは、当然みたいな顔でユウの前の席に座っている。


しかも、じっと弁当を見ていた。


「それ、美味しそう」


「見るな」


「卵焼き好き?」


「普通」


「じゃあちょうだい」


「嫌だ」


「ケチ」


「お前な……」


ユウは軽く額を押さえる。


周囲の視線が痛い。


「え、白瀬さんが喋ってる」


「しかもあんな普通に?」


「転校生すごくね?」


聞こえてくる声に、ユウはため息をついた。


「完全に目立ってるんだけど」


「別によくない?」


「よくない。俺は静かに過ごしたいんだよ」


「もう無理かも」


「は?」


ミナは少しだけ首を傾ける。


「黒瀬、なんか目立つ」


「何もしてないだろ」


「してなくても」


少し間。


「普通の人と違う」


その言葉に、ユウは黙る。


ミナは続けた。


「周り見てる目とか」


「人との距離の取り方とか」


「あと、動く前に一回空気見る癖」


「全部ちょっと変」


「……よく見てるな」


「見てるから」


即答。


まっすぐな声だった。


その時。


ガタンッ!!


教室の後ろで椅子が倒れる。


「だからお前が悪いんだろ!」


「うるせえな!」


男子二人が揉めていた。


周囲がざわつく。


一人が勢いよく椅子を蹴る。


飛んだ椅子が、女子の方へ向かった。


「きゃっ——」


その瞬間。


ユウは立ち上がっていた。


椅子を掴む。


音もなく。


一瞬だった。


教室が静まる。


「え……」


「今の見えた?」


「速……」


しまった。


ユウは内心で舌打ちする。


反射だった。


完全に。


「危ないから気をつけろ」


短く言って席に戻る。


でも空気は変わっていた。


視線が集まる。


疑問と驚き。


——やりすぎた。


横を見る。


ミナと目が合う。


「……何」


「別に」


そう言いながら。


少しだけ笑っていた。


──────────────────────────


放課後。


屋上。


風が静かに吹いている。


ユウはフェンスにもたれながら空を見ていた。


「ミスった……」


「うん」


後ろから声。


「お前ほんと来るな」


「黒瀬がいるから」


「意味わかんねえ」


ミナは隣まで来る。


少し近い。


でも離れない。


「今日の」


ミナが口を開く。


「完全に反射だったね」


「……まあ」


「考えるより先に動いた感じ」


「そういうの、染みついてるんだよ」


ユウは空を見る。


「普通にしてても勝手に動く」


「面倒なんだよ」


ミナは静かに聞いていた。


否定もしない。


変に慰めもしない。


ただ聞いている。


それが少しだけ話しやすかった。


「じゃあ」


ミナが小さく言う。


「無理に普通にならなくてもいいんじゃない」


ユウは眉を寄せる。


「簡単に言うな」


「簡単じゃないよ」


その返事は早かった。


ミナは前を向いたまま続ける。


「普通になろうとして壊れる人、見たことあるから」


風が吹く。


少しだけ声が揺れた。


「……誰だよ」


「昔の知り合い」


短い返事。


でも。


それ以上聞くなって空気があった。


ユウは黙る。


しばらく沈黙。


空だけが広い。


そのあと。


「黒瀬って」


ミナが言った。


「意外と優しい」


「は?」


「さっきも助けてたし」


「放っといたら怪我してただろ」


「でも普通の人は、あんな速く動けない」


「……だから何だ」


ミナは少しだけ笑う。


「別に」


「ただ」


一瞬、目が合う。


「ちゃんと“人を守る側”なんだなって」


その言葉に。


ユウは少しだけ視線を逸らした。


言われ慣れていない。


むしろ逆ばかりだった。


「……お前さ」


「何」


「たまに変なこと言うよな」


「黒瀬にだけ」


「なんでだよ」


ミナは少し考えて。


そして、小さく答えた。


「気になるから」


風が止まる。


時間まで止まった気がした。


「……は?」


ミナは自分でも言った後に気づいたのか、少しだけ目を逸らした。


「変な意味じゃなくて」


「いや今の間違いなく変だっただろ」


「うるさい」


少しだけ早口。


耳が赤い。


ユウは思わず笑った。


「……何笑ってんの」


「いや、お前でもそういう顔するんだなって」


「むかつく」


完全に不機嫌な声。


でも。


どこか柔らかかった。


夕焼けが二人を照らす。


普通じゃない二人。


なのに今だけは。


少しだけ、普通の放課後みたいだった。

次はいつ投稿されるかな?俺も分からないや!

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