表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対にダメージを受けないスキルをもらったので、冒険者として無双してみる  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第22章 明日へと続く道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

223/224

6 「明日へと続く道だ」

後書きにちょっとしたお知らせがありますm(_ _)m

「出力が上がっている……!?」


 俺の体から吹き上がる黄金の光はどこまでも──どこまでも広がっていく。


 すでに一つや二つの国を覆うレベルではなくなっていた。

 地平線まで──そのさらに先まで伸びていくのが分かる。


 まるで、この惑星すべてを包みこむような。

 星そのものを護る、絶対結界。


「わたしの冥天門が世界中の想いを集めている」


 イオが言った。


 想い……?


 ふと気づくと、どこかから声が聞こえる気がした。


 気のせいじゃない。

 確かに、聞こえる──。


『がんばれ』『負けるな』と。

 世界中から応援の声が。


 世界中の人たちが、俺たちの戦いを見ている……のか?


 あるいは、それは裁定者の力なのかもしれない。

 奴の言葉が、意志が、世界中に伝わり──。


 それは同時に、俺たちの抗戦をも世界中に知らしめた。


 そして、人々は意志を示した。


 裁定者に従う道ではなく。

 自分たちの意志で、世界を守るという決断を。


 想いを。


「今、わかった……これこそが冥天門の真髄。命を犠牲にするのではなく、想いを捧げ、対象に注ぐ。今はハルト、あなたに」


 黄金の門に四方八方から虹色のきらめきが吸いこまれていくのが見える。


 これは、世界中の人々の想いが集まっているのか?

 そして、そのきらめきは収束し、俺の中に入っていく。


 俺のスキルに、さらなる力を与えてくれる──。


「ハルトさん、負けないで……私たちも支えます」


 アリスの柔らかな声音が、


「ハルト、私も側にいる」


 ルカの凛とした瞳が、


「ボクだってついてるからね、ハルトくん」


 サロメの悪戯っぽい笑みが、


「ハルト、あたしたちの想いを受け取って──」


 リリスの強い意志が。


 温かく、優しく、そして愛おしい──そんな想いが、俺の中に入ってくる。


 力が湧いてくる。

 どこまでも。


 どこまでも──。


「馬鹿な、我の力が届かぬ……拒絶されている……管理、できぬ」


 裁定者が戸惑いの叫びを上げた。


「なぜだ、人間や魔族ごときが……世界の管理者たる、我を圧するだと……」

「俺たちは、お前に管理される存在じゃない」


 俺は裁定者を見据えた。


「自分の意志で、自分たちの描いた未来を歩む」


『封絶の世界』の輝きがさらにあふれた。

 黄金の光が虹色の巨人の周囲にまとわりつき、拘束する。


「動けぬ……封じられる……この、我の力が──!?」

「大切な仲間たちと一緒に、大好きな彼女たちと一緒に」


 俺たちの意志(ひかり)が巨人を覆い尽くした。


「ずっと……ずっと歩いていく」




 どこまでも広がる黄金の世界──。


 俺は虹色の巨人と、一対一で向き合っていた。


 なぜか俺は裁定者と同じサイズになっている。

 奴が縮んだのか、俺が大きくなったのか。


 あるいはそのどちらでもなく、ここが現実とは違う空間で、俺たちの姿は投影されたものにすぎないのか。


「我が作りたかったのは完璧に調和した世界だ」


 裁定者が言った。


「そこには争いはない。苦しみも憎しみも、いっさいの負の要素が存在しない。完全平和を実現した世界だ」


 巨人の全身から虹の輝きが炎のように立ち上った。


 まるで奴の怒りのように。


 ──いや、違うか。


 奴には感情なんてない。

 それが今なら分かる。


 まるで機械のように『世界の調和』を目指し続ける。

 ただ、それだけの存在なんだ……。


「汝らはそれを崩す。いずれは希望を失い、絶望の暗黒に染まるかもしれない世界を作るかもしれんのだぞ」

「だけど、希望に満ちた世界が生まれるかもしれない」


 俺は言い返した。


 奴に『心』が通じるのかは分からない・

 だけど、ぶつけてみよう。


「すべてが調和した世界は、それだけで完結しているから──それ以上、前には進めない。進歩も成長もない」

「我はそれで良いと考えた。だが」

「俺たちは、前に進みたい」

「できるのか、汝らに? 力ある存在が──神が消えた世界で」

「きっとできるよ。俺は信じてる。人間の強さを」


 今までの戦いで出会った人たちと、通わせた想いを。


 その強さを。

 だから信じることができる。


「俺たちが歩む道は──」


 俺は裁定者に向かって告げた。


 笑顔で、告げた。


「きっと、希望が満ちた明日へと続く道だ」

次回、最終話です。


    ※


【書籍化のお知らせ】サーガフォレスト様より「愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る」が書籍化されることになりました。イラスト担当はカンザリン先生です。

https://ncode.syosetu.com/n0087ep/

↑よろしければ読んでいただけましたら嬉しいです(*´∀`*)


書影です↓

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!




▼こちらの新作もよろしくです!▼



▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
「攻撃されたら俺の勝ち!」悪役転生特典でスキルポイント9999を【カウンター】に極振り→あらゆる攻撃を跳ね返すチートスキルに超進化したので、反射無双します。

冴えないおっさん、雑魚ジョブ【荷物持ち】からEXジョブ【上位存在】に覚醒して最強になる。神も魔王も俺には逆らえない。俺を追放した美少女勇者パーティも土下座して謝ってきた。




▼書籍版全3巻発売中です! 画像をクリックすると紹介ページに飛べます!▼

5z61fbre6pmc14799ub49gi9abtx_112e_1d1_1xp_n464.jpg 97vvkze3cpsah98pb0fociarjk3q_48b_go_np_cmbv hkcbaxyk25ln7ijwcxc7e95vli4e_1e1o_1d0_1xq_rlkw

漫画版全3巻発売中です! 画像クリックで公式ページに飛びます。
8jyvem3h3hraippl7arljgsoic6m_15xf_qm_bx_d8k6
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ