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絶対にダメージを受けないスキルをもらったので、冒険者として無双してみる  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第22章 明日へと続く道

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3 「成長させてきたんだ」

 リリス、アリス、ルカ、サロメ──四人の少女が三種の攻撃を同時に放つ。

 それらは別々の方向から虹色の巨人へと向かっていく。


「我はすべてを『管理』する。あらゆる変化を『無効』とする」


 裁定者が謳うように唱えた。


 そのとたん、リリスとアリスの放った人魔融合魔法が、跡形もなく消え去った。


「そんな!?」

「私たちの魔法が──」


 続いて、ルカの放った最大必殺剣が──その光が消滅した。


「私の斬撃まで……!」


 さらに隠密歩法で接近したサロメが、気配の隠ぺいを解かれて、姿を現す。


「嘘、気配を殺したのに無効化された……!」


 四人の少女の呆然とした声が、響く。


 リリスたちは、強い。

 冥天門で再生された魔将クラスを退けられるほどに。


 だが、その彼女たちをもってしても、裁定者に一撃を届かせることさえできない。


 こいつは、無敵なのか。


 この世の事象のすべてを管理し、この世の(ルール)そのものだという奴に──。

 抗する手段は、何一つないのか。


「さあ、諦めろ」

「まだだ──」


 俺はそれでも虹の巨人をまっすぐに見据えた。


 神のスキルは、人の心によって強くなる。

 最後まで心を折ってたまるか。


 探すんだ。

 失われた俺のスキルを、もう一度発現させる方法を。


 どんなに絶望的な確率でも。


「俺は、最後まで諦めない!」

「それが無駄だというのだ。もはやお前に神の力は宿っていない。いかに精神を奮い立たせようと、力そのものが消失している今、なんの意味もない」


 冷然と告げる裁定者。


「それでも、俺は──」




「じゃあ、力を戻せばいいんだね」




 声が、響いた。


「お前は……」


 振り返った俺の視界に飛びこんできたのは、一人の少女の姿。


 三つ編みにした黒髪に、僧侶のローブ姿。

『修復』のスキル保持者(ホルダー)──セフィリアがそこに立っていた。


「とりあえずハルトくんと……イオちゃんだっけ? 二人の『力』を元に戻すね~」


 セフィリアはあっけらかんと笑い、右手をかざした。


 俺とイオから黄金の輝きが──スキルの光が湧き上がる。


「戻った……!」


 感じる。

 体の中から、温かな光が吹き上がるのを。


 女神さまに授かり、託された俺の力。


 みんなを護るための、力だ。


「あたしが『リセットされた時間軸』を元通りに修復したよ。そっちの魔族さんも、いちおうね」

「セフィリア」


 俺は驚いて彼女を見つめる。


「どうして、ここに……?」


 氷の棺に閉じこめたはずだ。

 どうやって脱出したのかも分からないし、ここに来た意味も分からない。


「こんな楽しそうなゲーム、あたしも混ぜてよね」


 ふふん、を笑うセフィリア。


 こいつ人を殺すことすらゲーム感覚という危ない女だ。

 だけど今は──今、このときだけは。


 本当に、頼もしい。


「我に敵対するか」


 裁定者がうなった。


「ならば、汝の力も取り上げるのみ」

「無駄だよ~」


 裁定者が放った虹の光は、虚空に解け消えた。


「あたしの時間軸をリセットしても、その前に『修復』しちゃうから」

「なぜだ……すべては我が与えた力。汝らは我の手の中で生きる存在──」


 裁定者の声に、初めて動揺の色が混じる。


「なぜ、その力で我に対抗できる……? 我の『管理』すら無効化し、我の攻撃をも防ぐ──なぜだ!?」

「力の根源がお前でも──俺たちはそれを成長させてきたんだ。もう『お前の力』とは違っている、ってことだろう」

「わたしの力は、わたし自身のもの。その意志も──」


 俺とイオが言い放つ。


「ゲームマスターだからって、プレイヤーに必ず勝てるとはかぎらない、ってことじゃない?」


 ふふん、を鼻を鳴らすセフィリア。


 危険人物ではあるが──今は彼女が味方であることが頼もしかった。

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