表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対にダメージを受けないスキルをもらったので、冒険者として無双してみる  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第20章 終わりゆく世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

208/224

9 「語り継がれるでしょう」

少し短いですが、20章ラストです。

「闇が……広がっていく……!?」


 アリスは上空を見上げ、声を震わせた。


 空一面に広がる、漆黒。

 先ほどから頻発していた無数の黒幻洞(サイレーガ)とも違う現象だ。


 いや、あるいはその黒幻洞を数十倍、数百倍にも巨大化したような──。

 闇が、空を覆い尽くしていく。




「人の世界は、終わる。この世界は我ら魔の所有物となる」




 ふいに、空から朗々たる声が響き渡った。


 全身に強烈な悪寒が走る。

 膝から崩れ落ちそうになった。

 声だけで魂が凍りつきそうなほどの恐怖感。


「はあ、はあ、はあ……っ」


 アリスは息を荒げながら、黒い空を見つめる。


 町中に二つの影が降り立った。

 大気が震え、突風が吹き荒れた。

 耳をつんざくような稲妻の音が何度も響く。


 まるで空が恐怖におののいているようだ。


「なんて、すさまじい魔力なの……!」


 今までに感じたことがないほど強大な、魔の気配。

 六魔将すらはるかに上回るほどの、絶大な威圧感。


「私も、行かないと──」


 ちらりと氷の棺に封印された状態のセフィリアに視線を向ける。


 氷の中からセフィリアがこちらを見ていた。

 その瞳には、強烈な怒りと憎悪が煮えたぎっていた。


「セフィリアさんをこのままにしておくのは不安だけど……」


 みんなが心配だ。

 アリスは駆けだした。


 最後に、もう一度だけ氷の棺を振り返る。


 セフィリアの眼光が、いっそう鋭くなったように見えた──。


    ※


「神の居場所は突き止めた。後はこちらの世界に引きずり出すだけですな」

「ええ、神は亜空間に身を潜めているようだけど、その状態だとかなり消耗するみたいね。彼らの力がある程度弱まったのを見計らい、亜空間の破壊を実行するわ」


 ラフィール伯爵の言葉に、テオドラがほくそ笑む。


「あたしの子飼いの冒険者たちで、ね」

「こちらの世界に神が現れ、今まさに現れようとしている魔王や高位魔族たちと出会えば──」


 ラフィールが笑う。

 腹の底から、楽しげに笑う。


 既に何百何千回と確認した自分たちの計画をわざわざ復唱したのは、今まさに実ろうとしているこの瞬間を味わうため。


 至福ともいえる確認行為だ。


「奴らは互いに消滅する。残るは、封印されて無力な竜のみ。人間が世界の頂点に立つのよ」

「我々が、でしょう」

「ふふ、そうね」

「我らは歴史上の誰も為し得なかったことを成し遂げ、永久に語り継がれるでしょう」


 ラフィールは厳かに告げた。


    ※


 虹色に輝く海の中で。


『それ』は、静かにたたずんでいた。

 世界の動向を探る。


 神は──亜空間に身を潜めながら、刻々と消耗していた。

 魔は──人の世界に侵攻し、猛威を振るっていた。

 竜は──変わらず封じられたまま。


 そして人は──それにとって、取るに足らぬ存在だった。

 考慮する必要すらない。


 ただ、このままでは神と魔が出会い、互いに消滅してしまう。

 世界の均衡──パワーバランスが大きく崩れることになる。


「阻止しなければならない」


 決断を下す。


 それは、すべての世界の調和を守る者。

 すべての世界に悠久の平穏をもたらす者。


「ゆえに、それを乱す者がいるならば──」


 すべてを、破壊する。

 すべてを、創生する。


「裁定の(とき)を、始めるとしよう」


 それは、静かに動き始めた。

次回から第21章「そして裁定の刻へ」になります。あと2章くらいで完結……かな?

8月下旬~9月上旬に更新再開予定です。


正式な日時に関しては、スケジュールが確定次第、活動報告及びあらすじの一行目にて告知予定です。

少し間が空きますが、気長にお待ちいただけましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!




▼こちらの新作もよろしくです!▼



▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
「攻撃されたら俺の勝ち!」悪役転生特典でスキルポイント9999を【カウンター】に極振り→あらゆる攻撃を跳ね返すチートスキルに超進化したので、反射無双します。

冴えないおっさん、雑魚ジョブ【荷物持ち】からEXジョブ【上位存在】に覚醒して最強になる。神も魔王も俺には逆らえない。俺を追放した美少女勇者パーティも土下座して謝ってきた。




▼書籍版全3巻発売中です! 画像をクリックすると紹介ページに飛べます!▼

5z61fbre6pmc14799ub49gi9abtx_112e_1d1_1xp_n464.jpg 97vvkze3cpsah98pb0fociarjk3q_48b_go_np_cmbv hkcbaxyk25ln7ijwcxc7e95vli4e_1e1o_1d0_1xq_rlkw

漫画版全3巻発売中です! 画像クリックで公式ページに飛びます。
8jyvem3h3hraippl7arljgsoic6m_15xf_qm_bx_d8k6
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ