表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

第6話 5体目の仲間

 ガコンッ。


「ん?」


 突然。

 ダンジョンの奥から、何かが動く音が聞こえた。

 石が擦れるような音だった。


「……メルグ」


「うむ」


 さっきまでの緩い雰囲気が消える。メルグの声も真面目だった。最近の食事中の姿とは全然違う。


「ダンジョンの奥からじゃな」


「ああ、警戒していこう。いざとなったら、メルグも頼む」


「あいわかった」

いつもとは違い頼りになるメルグだ。


 ガゴンッ。

 三度音が響く。音が少しずつ近づいてきていた。


 ムクロが俺の前へ出る。こういう時に頼りになるし、主人を守ろうとしてくれるんだよな。紳士な騎士様だ。骨だけど。


「カタ……」

 セプトも低く身構えた。


 俺は地面へ手をつく。

 いつでも【ダンジョン編集】を使えるように。


 そして――

 暗い通路の奥から、光に反射してしっとり鈍く輝り輪郭が露わになった。


「……ゴーレム?」

 岩だった。岩の塊が動いていた。

 全身が灰色の石でできた、二メートルほどの人型。

 頭部にはぼんやり赤い光が灯っている。


 ガゴンッ、ガゴンッと間抜けな音を鳴らしながらこちらへ向かってくる。

幸い、のそのそと歩く程度のゆっくりとしたペースだ。


「頑丈そうなボディだな。それに体重が重そうだな。」


「ダンジョンの壁は持つかのう」


「さすがにそれは大丈夫だと信じたい。」


 ゴーレムは俺たちへ気づくと、ゆっくり拳を持ち上げた。


「来るぞい!」

 次の瞬間。

 ブォンッ!!


「うおっ!?」

 岩の拳が振り下ろされる。

 俺は横へ飛んだ。

 ズドォォン!!石床が砕ける。


 体が重く動きが遅い分、避けるのは簡単だが…

「火力おかしくない!?」


「当たったら合い挽きじゃな」


「不吉なこと言うな。飯抜きにするぞ」


「悪かった、悪かった。それだけは勘弁してくれ」


 ムクロが飛びかかる。

「カタァッ!!」


 ムクロが自身の骨を使ってゴーレムを殴る。

 カンッ。


 全然効いてない。逆に骨にヒビが入った。


「相性最悪じゃ」


 セプトが高速で駆け回り、ゴーレムの注意を引く。

 だが――

 ドゴッ!!

「ピギィッ!?」

 当たってもいないのに軽く腕を振られただけで、セプトが吹き飛んだ。


「セプト!」

 まずい。普通に強い。


 石には石だ!

「ダンジョン編集」


 ゴゴゴゴッ!!

 壁を変形。天井から石柱を繰り出す。


 ズガァン!!


「やったか!?」


「その台詞は危険じゃぞ」

 砂煙の中から、ゴーレムが普通に出てきた。


「ほとんどノーダメじゃねぇか!!ただ、砂煙の中光っていたあの胸のところ、あれ核じゃねえか?」

 よく見ると、ゴーレムの胸の奥。赤く光る部分があった。


「可能性は高いのう!」

 ゴーレムが拳を振り上げる。



「セプト!」

「ピギィ!!」

 セプトが高速突進。

 ゴーレムの顔面へ体当たりした。

 僅かに体勢が崩れる。


「ムクロ!」

「カタァァッ!!」

 ムクロが飛び上がる。


 そのまま、ヒビだらけの骨を叩き込んだ。

 バキィッ!!

 赤い核へ亀裂が走る。


 俺は地面を変形。

 巨大な石槍を形成する。

 だが――

「……待て!」


「主殿?」


「これ、テイムできるんじゃね?」


 一瞬、空気が止まる。


「おお……」

 メルグが感心したように震えた。


「こんな強い奴DPに変えるより、

 仲間にして魔物倒してもらった方が稼げるじゃん」


「魔王らしくなってきたのう」

 メルグは感心したように頷く。


 だが。本音は別だった。

 ――いや、普通にかっこいいだろコイツ。


 ロマンだ。巨大ゴーレム配下とか、男の子が好きなやつだ。いつかはデッカいロボとかになったりしてな。

 俺は手を伸ばす。


「テイム!!」

 淡い光がゴーレムを包み込む。


 数秒後――ピコンッ。


ーーー

【ストーンゴーレム】のテイムに成功しました。

ーーー


「うおぉぉぉ!!」

 ゴーレムの動きが止まる。

 赤い目が、ゆっくりこちらを向いた。

 ゴーレムは静かに膝をつく。


「……おお」


「成功じゃな」


「デカい仲間きたぁぁぁ!!」


 思わずテンションが上がる。

 スライム。スケルトン。金色ウサギ。そしてゴーレム。


「統一感ゼロじゃな」


「ロマン編成といってくれ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ