物語は始まらなかった!!
はい、ちょっと短いですがネタ回と言うことでどうか容赦を~
拙い物ですが楽しんでいただけたら幸いです。
「お疲れ様です……でいいんですか?」
私はそう言ってフィさんに声をかけました。
「一応はね、楔は打ち込み終わった。今度は魔力が通る道を作ってやらないといけないが此方は大規模になりそうだからとりあえず後日だ」
そう言って今日すべき事は終わったようです。ただ既に辺りは夜なんですよね、どうやって帰るんでしょうか?
「さて、今日はこの山の中で野宿か……夜にあんまり動き回らないほうがいいのは確かだしな」
おっと、帰れませんでした……ですがこの暗闇の中夜営の準備するんですか?無茶だと思います。
「私お手伝い何にも出来ませんよ?」
「ああ、大丈夫だ私のほうですぐに準備できるから」
そう言うとフィさんはテニスボール位の球体を取り出しました。
「その球を直視するなよ、結構強い光が出るからな」
そう言うとフィさんはその弾を近場に放りました……するとそれ、地面に落ちることなく浮いてるんです、というより浮き上がっていくんです。
そして暗闇で見えなくなるくらい浮き上がっていったんです、私は球の会った場所を見上げていて……そしてしばらくすると。
― ピカアァァァァァァ!! ―
結構強い光が上空で発光しだし、あたりを照らし出しました。
問題としては私はその光を直視してしまい……
「目がぁ~~!目がぁ~~!」
目が焼かれた訳じゃないんですが急激な変化と光の直視で何にも見えなくなっちゃいました。
そしてこういうとき言うような台詞を言ってのた打ち回ってしまいました。
「だから直視するなといったろ、しばらく大人しくしてなさい」
フィさんはそう言って私を窘めてきました。
おっしゃるとおりです、もう大人しくしてます。
◇◆
しばらくするとフィさんは夜営の準備を終わりました。
テントや焚き火など短時間で準備できちゃうのはすごいんですが……さっきのあの球体は反則じゃないですかね。何ですかあれ、あんなふうになるなら先に言って欲しかったですよ(先に言ってました)。
それにしてもさっきからフィさんは何をしてるんでしょうね?
私が『じ~~~~』と見ていたのに気が付いて話してくれます。
「ん、これか?先程捕まえたのを捌いたものだ、調理するので少し待ってなさい」
先程捕まえたって……何時捕まえたんでしょう、目が見えていなかったのは5分位でその後はずっと見てたんですがそんな素振りなかったですよね?……血抜きとか、捌くとか、そんなに早くできるものなんですかね?
……まぁフィさんに限ると考えるだけ無駄かも知れませんね。
それからしばらくすると夕食が出来たようです。
「うむ、今日のウサギ鍋はいい出来だ!」
先程のお肉はどうやらウサギさんだった模様……所詮世の中弱肉強食ですね、とりあえず合唱しておきましょう。
「ところでフィさん、何時ウサギなんて捕まえたんですか?」
「そうだな、普通ならいくら明かりがあっても捕まえられないのだが……今日捕まえたウサギはなんと言うかトロくてな、簡単に掴まった、ただ不思議な事に時計を持ってたんだよなこのウサギ、何処から持ってきたのやら」
……時計を持ったウサギですか……そうですかぁ……私の名前ってアリスって名前でしたよね……何か釈然としないものがありますね。
はい、考えたら負けです、食事を食べたらもう寝ちゃいましょう!!