分岐点① 舞風優視点
「・・・ん。八瑠佳からメッセージか。」
休日だが舞風優は自宅で先日の取材の記事を作っていた。時刻は14時を少し回ったところだった。
寺沢さんからメッセージがきたらしい。内容は前回行った水族館で待っているというものらしい。
メッセージを送っても返信はないし、どうしようというものだった。
「・・・あいつ馬鹿だな。」
メッセージは送るだろうと思っていた。だが、来るかもわからない人を待つとは思わなかった。
いや、彼の性格を考えれば来なくても、いいんだろう。
(それは、私の言った傷つくと違う気がするんだが・・・)
私は、八瑠佳に
時間がたてば、寺沢さんもメッセージ見るんじゃない。さすがに八瑠佳を仕事終わるまで待たないでしょ。
と返信した。
普通はそうだろう。メッセージを送ったのが朝10時前で、八瑠佳の仕事が終わるのが19時半過ぎで、水族館に行くなら20時半を過ぎてしまうだろう。
10時間はさすがに待たないだろう。
「さっ、仕事しなきゃ・・・」
私はスマホをおき、仕事に戻った。
・・・・・
どうも仕事に集中できない。あいつのせいだ・・・
以前は寺沢さんに対して遠慮というか、少し他人行儀なところがあった。居酒屋で話した以降は遠慮がなくなった気がする。それ以降会ったわけではないが・・・
気分転換にテレビをつけた。ちょうど天気予報が始まったところだった。
どうやら、夕方以降雨が降るらしい。
「あいつ傘持っているのかな・・・」
なぜか彼のことを考えてしまう。
「はぁー・・・何やってんだか・・・」
私はテレビを消す。
・・・・・
時刻は19時を回った。結局仕事はあまり進まなかった。
私は夕食の準備をしていた。とはいってもパスタを茹でるだけだが・・・
茹で上がったパスタにソースをかけて食べる。
味はよくわからない。寺沢さんのことばっかり考えていた。
八瑠佳からのメッセージはない。私は寺沢さんの連絡先を知らない。今どうなっているかわからない。
(なんでこんなに気にしなきゃいけないんだ・・・イライラする・・・)
私は夕食を、素早く平らげた。
「・・・・」
私は着替え、外に出る。
舞風優の手には二つの傘が握られていた。
まだ雨は降っていないようだ。




