scene3 竜魔王
天井が高い。
それが王の間に入った瞬間の感想だ。
豪華絢爛な装飾や周りに控える偉そうな人たちよりも何よりも印象に残った。
「よく来てくれてた勇者よ
今、世界は竜魔王の脅威にさらされ...……」
長い...テンプレのようなセリフが延々と...校長先生の話を思い出させる...。
意識が遠のいていく...。
「…勇者35号!そなたの力が必要だ!」
「…え...ああ、はっはい」
急にでかい声で話を振られたのであいまいでさえない返事をした。
「聞いていたか?」
「だ、大丈夫です」
何が大丈夫なのかはわからない。
まあ勇者だし能力MAXだしとにかく竜魔王とやらを倒してくれば問題ないはずだ。
「お任せください!この坂沢崎清吾必ずや竜魔王を倒して世界を平和をもたらします!」
「さか...ざ...?」
「あ、大丈夫です35号で大丈夫です」
なんだろうか、俺の名前はそんなに難しいのか?
今後は気を付けよう。
「さて勇者35号殿、竜魔王を倒す前に確認しておきたいことがあるのですが」
そういいながら近づいてくる男。
小柄で目つきが悪い。
勝手な偏見で申し訳ないが、こんな感じの奴に良いやつはいない。
「おや、警戒させてしまいましたね。
失礼いたしました。
私は宰相のナザエルと申します。
年の為、本当に竜魔王が倒せるのかどうか確認させて頂きたく、お声をかけさせて頂きました」
やけに恭しく腰が低い。
「問題ない!だって能力MAX!これで竜魔王が倒せないなら、誰にも倒せないぜ」
ナザエルが俺に手をかざし能力値ウィンドウが開く。
「ふむ...なるほど...確かに、これは凄い。
かつてない強さ。
国王陛下これならば竜魔王など瞬殺、魔王軍そのものをあっという間に蹴散らしてくれましょうぞ」
「さすがは勇者35号じゃ。頼もしい限りだ。
頼んだぞ世界に平和をもたらしてくれ」
恭しく礼をしながら俺は思った。
確認されるまでもないMAXなんだ。
俺がやらなきゃ誰がやるんだ。
「お任せください国王陛下!必ずや世界に平和をもたらして見せます」




