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scene18監視社会
一方、辺境都市トロイゼン。
すすけた石畳、低く垂れこめた空。
街路には魔法結界が走り、空気そのものが監視されているようだった。
フードを深くかぶり俺は慎重に人込みの橋を歩いた。
行き交う視線に自然と敏感になる。
誰もが首元に資格の刻印が刻み込まれ鈍い鈍く光る。
資格を持っている人間の証だが、俺にはない。
頭上を飛来する水晶柱が赤く点滅する。
「無資格を検知
無資格呼吸、無資格歩行...」
ざわり、と群衆が距離を置く。
俺はとっさに顔を伏せフードを深くかぶる。
(ここも危険か...)
足早に路地に向かった。
背後では監視兵が走る音が聞こえる。
この世界では無資格では、存在することが罪。
生きることが許されない世界。
(この世界で俺は、罪の塊)
ティアの顔が浮かび、握った拳に自然と力が入る。
(これがお前の望む世界か...こんなのは秩序でもなんでもない。
人を監視する檻だ。)
俺は暗闇の路地へと消えていく。
無資格で呼吸をしながら、無資格で生きていた。




