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無資格勇者  作者: 南蛇井


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18/59

scene18監視社会

一方、辺境都市トロイゼン。

すすけた石畳、低く垂れこめた空。

街路には魔法結界が走り、空気そのものが監視されているようだった。

フードを深くかぶり俺は慎重に人込みの橋を歩いた。

行き交う視線に自然と敏感になる。

誰もが首元に資格の刻印が刻み込まれ鈍い鈍く光る。

資格を持っている人間の証だが、俺にはない。

頭上を飛来する水晶柱が赤く点滅する。

「無資格を検知

 無資格呼吸、無資格歩行...」

ざわり、と群衆が距離を置く。

俺はとっさに顔を伏せフードを深くかぶる。

(ここも危険か...)

足早に路地に向かった。

背後では監視兵が走る音が聞こえる。

この世界では無資格では、存在することが罪。

生きることが許されない世界。

(この世界で俺は、罪の塊)

ティアの顔が浮かび、握った拳に自然と力が入る。

(これがお前の望む世界か...こんなのは秩序でもなんでもない。

 人を監視する檻だ。)

俺は暗闇の路地へと消えていく。

無資格で呼吸をしながら、無資格で生きていた。


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