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和風ダークファンタジー系乙女ゲームに転生したけど、死亡フラグは全力回避します。  作者: 蒼井 百年
第一章幼少期 ~まずは死亡フラグを撤去します!~
9/25

7話 ~プレゼントの中身は?~

 魔力決壊を起こした弱体版封印魔法は、薄いガラスを割ったようにキラキラとした魔力を可視化した破片と共に消えていった。うっすーい飴細工の欠片みたいな?


 プレゼントボックスの中から、高さ約二メートル、幅一メートル程の扉が現れた。大きい魔法石が二個、小さい魔法石が幾つかついていて装飾にも凝っている。なんか、高そうだな……。

 その扉からは、先程の弱体化された封印魔法(シール)とは違って、そこそこの機能変換魔法(ワークチェンジ)がかかっていた。その魔法は術者が好みのように機能を変換出来るように設定されているらしく、上書きが何回でも可能な高性能さで。わぁお、さすが西園寺家。

 いち、に、さん、しー、ご。五個のビー玉程の小さい魔法石がついているから、最高五個の機能変換ができるっぽい。


「うわぁ。凄い綺麗ね。でもなんで扉?機能変換魔法(ワークチェンジ)でどうすれば良いのかな?」


「あれ?この扉、かかってる機能変換魔法(ワークチェンジ)と、おまけがついてるね。」


 扉に分析魔法をかけたらしく、陽向が詳細をおしえてくれる。私でも分析魔法はまだ習ってないんだけど、結構陽向の学習って先に進んでるのかな.

 

「おまけ?どういうこと?」


「この大きい魔法石の方は、機能変換魔法(ワークチェンジ)は付いてなくて、固定型の空間魔法(スペース)がついてるよ。」


空間魔法(スペース)って結構、高難易度じゃなかったっけ?」


 ヒトメグの世界では、百人に一人ぐらいだったはず。しかも、ビー玉サイズの空間創ったりするのがやっと、っていう人が半数を占めているから~、うーん大体、実質高精度でかつ、実用性を兼ねて使えるのは、大体三百人に一人ぐらいだって、ヒトメグでいってたような。


「うん。しかもこの空間魔法(スペース)、一つは扉の向こうにかかってて、一つは扉自体にかかってるから、扉についてる拳サイズの魔法石に扉自体を仕舞って持ち運び出来るようになってる。」


「おぉー。良いね移動式秘密基地みたい!一つ目の機能変換は、扉に暗証ロック()を付けない?」


「そうだね。じゃあ二人の魔力にだけ、反応して開くようにしよっか。」


 そういって、ビー玉程の魔法石に触れて念じながら魔力を込める。

 ビー玉魔法石に一瞬太陽のような光が宿って、淡い光を放つ。うん、確かに私と陽向の魔力を感じるし。前世のセキュリティロックに勝るとも劣らないような、凄い高性能な鍵だ。


「ねぇ、これってお母様とお父様からの、私達へのプレゼントだよね。」


「そうだと思うよ、この扉から、凜ちゃんのお父様の魔力と妖力が僅かに伝わってきてるから。」


「だよね。嬉しいなぁ、二つ目に込めるのはまだ先で良いかな。」


「まだ、特に入れたい機能も思いつかないしね。とりあえず扉の中に入ってみようか。」


 ある程度の重厚感を覚えるその扉を開くと、中には二十人程度ならば余裕を持って入れる広々とした部屋へ繋がった。

 壁紙や絨毯はシンプルな造りになっていて、家財は特に設置されていなかった。なんだか、店頭のディスプレイや模型みたい。


「こういう部屋かぁ。秘密基地っぽくないね。」


「この内部は変えられるみたいだよ。この空間魔法自体は変えられなくても、少し魔力を与えて唱えると、部屋の造り変わる特殊な仕組みだね。」


「陽向君はどんな部屋が良い?この扉は陽向君が持っているようなもんだし。」


「えっ、良いの?じゃあ、特訓場みたいな部屋が良いな。普通の特訓場だと、周りに危害を及ぼしちゃうけど、この扉の向こうだったら此方側に影響がないから、凄く安全に秘密の特訓が出来るようになるよ!」


 これが七歳児の言うことなのか。きっと、結構な英才教育受けていたんだろうなぁ。陽向のご両親は結構優秀な人たちだもんね。

 そうだ!次の月読の日からの修行を、陽向と一緒にやれば良いんじゃないか?自分と同い年の子がいれば(精神的な年齢は気にしないことにする)修行も捗るんじゃないかな!

 

「格好良いね!秘密の特訓って憧れだもの。」


「じゃあ、内装変換するから一旦出よう。」


「うん。あっ、広さってどのくらいにしよっか?」


「そうだなー、凜ちゃんの部屋ぐらいかな?丁度良いんじゃないかな。」


 んー私の部屋が一般的な広さじゃないんだけど。まぁ今の私の部屋っていったら、大体、普通の高校のちょっと広めの教室ぐらいかな。


 一度部屋を出ると、陽向は再び魔法石に触れて二三言唱えた。

 扉についた魔法石がうっすらと、光を帯びて淡く発光している。先程までの白い魔法石は、朱色を宿した魔法石へと変わった。

 なんだか、宝石みたいだなー、キラキラしてて綺麗だし。魔法石を埋め込んだ魔法道具てアクセサリーに近いのかも。


「よしっ、ねぇ陽向君。今日はここまでにしておこっか、なんだかお腹減っちゃったし。」


「そろそろ、夕飯だしね。ここまでにしようか。凜ちゃんのお父さんとお母さんにもお礼しなきゃね。」


 扉を魔法石に仕舞い、陽向が預かってくれるというので預けた。私、おっちょこちょいなとこがあるから、自分が持ってるよりも安心だわ。

 その後の夕飯で、両親にお礼を言って訓練場にしたことを話すと、感激された。やっぱ西園寺家って娘に甘い?優しすぎたから凜はあんな性格になったのか。


 そろそろ大型の魔法使いたいなー。

 折角修行して、チート知識だってあるのに使わなきゃ勿体ないでしょ。

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