14.エピローグ
・・・あれから28年――。
48歳になった僕は、まだ先生と年賀状にやり取りを続けている...。
もう、先生は御高齢になり、今年で「年賀状じまい」をすると仰られた。高校の教師は自分が勤務する県内を一定期間過ごすと又、別の場所に移動する事になっている。
今年、先生がもう一度母校に戻ってくると伺っていた。
たまたま関西での勤務となった僕はサプライズのつもりで沢山御土産を買って久しぶりに母校を訪ねる事にした。
その時は図らずも母校の入試説明会と重なっていたらしく、部外者は校門を入る事は許されなかった。岩本先生を呼んで貰おうとしたが、先生は女子バスケットの顧問として何処かに試合に出かけて不在らしい...。
校門にいた先生らしき人に僕が訪ねた旨を話し、これを岩本先生に渡して欲しいと伝えてその日は帰宅した。
翌日、僕の携帯が鳴る――。
今度の土曜日なら会えるとのこと...。
・・・30年近く時は流れ、流石に先生は年を召していたが、美しい雰囲気は変わらない。
声も昔と全く変わらず落ち着いていて、こちらが恐縮してしまいそうになった。
先生へのサプライズで渡した土産の和菓子は、言付けた先生らしき人が間違えて、先生全員に配ってしまったらしい事を聞いてお互い笑った。
最近では高校でも携帯を持ち込んでも許可されている事。母校は地元ではいつの間にか進学校になっており、ここの卒業生は賢いと思われる事等、先生との話しに話題は尽きない...。
・・・最後に記念写真を撮ろうと思って、わざと作業服で伺ったが辞めた。また、いつか、先生と御逢いしたいから...。
・・帰り際、"僕の家族に"と、先生から一つの紙袋を手渡された。中に入っていた先生らいしセンスのよさそうな神戸の御菓子と、スターバックス珈琲のカードを見ながら、僕は苦笑した...。(完)
第一章 始まりの物語
完結です。ここまで、読んで頂きまして有難うございました。
また、第二章で、御会いしましょう。
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