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Ever Stride ~その先の未来は~  作者: KAMINO


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第5章 アソオス

聖竜というレスカテ王子の一行に身を寄せる事になったユナム。


 船で海を渡り、着いた先は砂の国と称されるアソオス国。


儀式の為の洞窟に入れず、仕方なく砂漠越えてアソオス城下町へと辿り着いたのだった。


 港から洞窟へ向かった俺らは、迷子になった冒険者のせいで洞窟に入れず、城へ向かう為、砂漠を抜け・・やっと、辿り着く。


 ~ ア ソ オ ス 城 下 町 ~

ややグレーがかった外壁と青く澄んだ色の屋根が印象的な街並みで、地面は石畳に砂が目地を埋めていた。


建物が密集する形で建てられてるのは、寒暖の差が激しい事に起因してるらしく、日中の暑さ緩和と夜間の冷気緩和の為の魔法陣の役割を建物で形成されてるらしい。


 と説明されるものの、よく分からずに居たが、オリクトが豪快に笑ったかと思うと、ルアさんも王子も「分からなくても気にしなくていい」と言うのだった。


城下町の入口から左に大きく曲がり、道なりに進むと大きな広場の中央に、存在感のある噴水が印象的だ。


そこから、何本もの道が続いてるのが見える。


ルア「王子、まずはギルドへ向かいましょう」

王子はうなずき、俺らを誘導する。


 噴水の左手奥に見える大きな建物がそれらしい。


他の建物は石などで出来てるが、ギルドは黒く塗られた木造の建物だった。

こういう砂漠地帯の建物って白い壁が多いもんだと思ってたのに、なんで黒?と思ったけど、それには諸説あるらしく「話が長くなるけど聞きたい?」というルアさんに、首を横に振る俺。


 そうこうしてる間に、ギルド内へ。

受付がなぜか男性ばかり。珍しい。

どこのギルドも女性が多い印象だったのに・・。


王子がギルド証を見せ、奥の部屋へと案内される。


そこは、魔法基軸で作られた特殊空間の部屋だった!


  俺がびっくりし過ぎて 固 ま っ て る と・・

ルア「凄いでしょ♪ココの技術は他では見られないからね~」となんだか嬉しそうに語っている。

オリクト「ルアはココの出身だったな、そういや」

 俺「え?!そうなの??」


不適に笑って「そうよ~」と言うルアさん。


「みんな、まずは風呂に入って身支度を済ませよう。今日中に王に会うぞ!」

と、王子。


ギルドの受付で王への謁見届を出した・・的な事を王子が話している。

たとえ、王子だろうが・・届け出もしないままでは、王には会えない。


 それもそうだよな・・。王様ってのは、忙しいだろうし。


着替えて、ひとまず受付へ一声かけてから、城へ向かう事になった。

オリクトが街探検したいと言うが「あとにしろ」と王子に言われてる。


俺は迷子にならないよう、他所よそ向かないで王子たちについて行った。


城の門番に、何やらかしこまった挨拶を王子が言うと門番の一人(右側)が「こちらへ」と言い、その後に続く。


 通されたのは、謁見の間ではなく・・・・


 どこかの客室。



 どうやら、他の国の重要人物との会談で王は来れないらしい。

もちろん、この謁見が儀式後で・・・と言う場合は、こちらを優先してくれるそうだけど、今回は 違 う 。


 代わりに、王妃が会って下さるそうだ。


まぁどっちにしろ・・・王族と会うのは緊張するけど。俺、平民だし。


王妃が来て、王子だけ王妃の前に座る。

俺とオリクト、ルアさんは王子の背面に横並びに立ったまま。


あと『王妃をジロジロ見ないこと』とルアさんから釘を刺されたので、伏せ気味に。



王妃「レスカテ王子、よく参られましたわね。道中で我が国の者達が迷惑をかけたと報告を受けておりますわ」


 洞窟に興味本位で入った冒険者が結局迷子になって、ギルドに助けを求める魔道具・モアノーを放って・・・捜索が得意な冒険者グループが派遣されて、兵士が他の冒険者が入らないようにと、入口を封鎖してたらしい。


 王子「いえ、問題ありません」


王妃と他愛ない世間話の最中さなか、ドアをノックする音が聞こえ「失礼します」とドアを開け入って来た兵士。

王妃の側近に言伝ことづてすると、部屋から出て行った。


側近から王妃へ伝えられると、やっと俺らは聞けた。


 洞窟への通行不可が解除された事を。


王妃「また同じ事が起こってはいけませんから、兵士たちにその場に留まるよう指示しましたわ。レスカテ王子たちの”グラセリオ”だけ通すようにと・・」


 グラセリオ?

 王子「ご配慮に感謝致します」


 王妃は「ただし・・」と続ける。


 王妃「待たせられるのは、3日程度でしてよ」と。

王子は立ち上がり、一礼。俺らもすかさず、一礼し・・・。


 王子「十分です。ありがとうございました。失礼致します」と言い、兵士の案内で城を出て、ギルドへ戻る頃には・・すっかり夕暮れになってて、肌寒く感じた。


オリクト「王子、俺ぁちょっくら、出かけて良いですかね?」

 王子「何かあるのか?」


いや~・・ちょっと・・・と、何か言いたげなオリクト。

察して「行ってこい」という王子。


俺は、オリクトの向かう先を見て、王子の方を見ると・・・・

 王子「お前は観光しなくて良いのか?」と言う。


 俺的には、正直緊張と砂漠越えの疲れで、今すぐ寝たいくらいで・・オリクトみたいに元気にあちこち行く気力は無かった。情けない話だけど。


 それに・・・・


 俺「儀式終わった後に、またココに来るんですよね?」

ルア「そうよ」

 俺「じゃ俺は、その時に観光したいです。正直、もう疲れてて」と苦笑い。


王子「そうか。ギルドの部屋に戻ったら休むといい」

ルア「また洞窟に戻るのに、砂漠越えないといけないからね」


 どこぞの魔法使いが、転移魔法とか使える話をルアさんにしたら・・

ルア「一応、使えなくはないんだけど・・・。条件が厳しいからね」と今は”使えない”って事で、諦めて・・また砂漠を越える必要があるとか。


 しんどいな・・これ。


かなり、辛そうな顔を俺がしていたのか、王子がふと俺の名前を呼ぶ。


 俺は、王子の方へ顔を向けると・・

王子「ユナム、辛いようならココで待つか?」とギルドを指さして言う。


 え?!なんで??


ルアさんは、やや笑って俺を見ている。


 俺「い・・いや、俺も一緒に行きますよ!」と勢いよく言うと王子は驚き、ひと言「そうか」と言う。


ルア「ユナム、酷い顔してるから、王子が気にしたんでしょうね」と言う。

 俺「え?・・あ、す・・すみません」


 疲れてただけなんだけどな・・って俺は言った。


 なんか、気を遣わせてしまった・・・王子に。

これじゃ、ダメだよな。王子のメンバーのひとりになったのに。


 ギルドの部屋に戻り、話題を変える為・・さっき王妃様との会話に出てきた単語を聞く。


 俺「そういえば、さっきの”グラセリオ”って何ですか?」

ルア「私たちのグループ名よ」


 え? 聖竜じゃなくて??


王子「グラセリオ・・とは、聖なる光の守護・・・という意味で、レスカテ国の守護龍の名前でもある」と教えてくれた。


 だから、略称が『聖竜』なのだとか。


ルア「ちなみに・・・」と


  アソオス王子のグループの正式名称も教えてくれた。


 ちゃんと意味のある言葉なんだなという感想だった。

ギルドでの飯を食べ、早々に寝てしまった。


遠くでルアさんが俺を呼んだ気がしたけど・・・




 翌朝。


毎回恒例になってきたが、ルアさんに起こされる。

食事中に、オリクトが帰って来た。一緒に食事をする。


食後、身支度を整え、席に座る。


王子「さて・・今日は洞窟へ入って、儀式を受けるぞ!」


 でもココまで来るのに砂漠地帯で、けっこう時間がかかったから、間に合わないのでは?と俺やオリクトは言った。


ルア「普通なら、そうなんだけど・・」と、何やら白い封筒を見せる。


王子「王妃様から、転移陣の使用を許可された」

 俺「転移陣?」


ルア「簡単に言うと転移魔法の土地固有の魔法陣って感じかな」


 土地固有?


オリクト「城の中に在って、王族の許可が必要っていう、アレですかぃ?」


 王子は頷く。


 本来は、その国の者しか許可されないモノらしいが、儀式が目的の王子一行を足止めしてしまった経緯を、策謀だなんだと言われるのを避ける目的も在って利用を許可されたのでは?とルアさんは言っていたが・・。


 とにかく、砂漠越えよりも簡単に目的地へ転移出来る!


  荷物を持って、再び城へ。


 門番に封書を見せると、前日に案内された逆方向へ進む。

神殿のような外観に、周りと違って白い壁と赤い屋根に目が行く建物へ。


 門番に中へと促され、進むと・・・・


内装も白に金の装飾。赤い縦長の旗が印象的で、赤い絨毯の先へ。


神官のような姿の男性が口を開く。


 「グラセリオの皆様ですね。王妃様よりうけたまわっております」


 王子を中心に、両脇にオリクト・ルア。王子の背面に俺。


 「光が溢れ出しましたら、目を閉じてお待ちください」


 直後、光だしたので、俺は目を閉じた。


 涼しい空気の神殿内に居たと思ってた次の瞬間には、暑さを感じる風で目を開く。そこには、兵士数名が待っていたようだった。


 王子たちと共に、兵士に案内されるまま洞窟へ向かう。


兵士「レスカテ王子、先日はご迷惑をおかけ致しまして申し訳ございませんでした。もう迷惑な客人も居ませんのでお通り下さい。なお、我々は王子たちが中へ入ったのを見届けた後、王都へと戻らせて頂きます」


王子「分かった。ご苦労だったな」と兵士に声をかけ・・


 洞窟へ向き直り・・「行くぞ!」と言って進む。




 洞窟の入口自体は、1つで大きく横に広がってるような形状だ。

アルシュ山同様、所々鋭く尖ってる壁。


 レスカテ国の試しの洞窟とは違い、灯りが無いから光の魔法・ボーを唱え、周囲が明るくなる。入って早々に、たくさんの枝分かれしてる道が見える。


 ココは迷いやすい事で有名な『まどいの洞窟』


しかも、魔物も迷子になるらしくて、この洞窟が出来た頃は居たと言うが今は、ほぼ出ない。


それに、ココが迷いやすくなったのは、迷子になったどこぞの冒険者が出る為にって壁を壊して進んだって話で、それを真似した多くの冒険者の合作で・・今、こうなってるって話だから、ちょっと呆れてくるだろ?


王子の守護の力のお陰で、道に迷わず進み・・・


 着いた先に村・・・ではなく、里が見えた。こんな所に人が住んでる事に驚いたけど、ココは切り立った岩肌で守られてて、砂漠の暑さ寒さという極端さは無く、一番快適に過ごせる土地なのだと言う。


 ~ マ ズ ラ ー の 里 ~


王子の存在に気付いた人たちが、出迎えてくれた。

里長は、儀式の入口へ案内してくれて「ご武運をお祈り申し上げます」と王子に伝える。


王子は、俺らの顔を見て覚悟持った目をして、階下へ降りて行く。


この里を経由しなければ、入れない場所である。

そして、儀式のタイミングでのみ、道は開かれるらしい。


どのくらい、階段を降りてきたのだろうか・・というくらい、長く感じる。


そして、なんだか少し肌寒く感じてきて、上着を着る。



 魔物も出ず、緊張した面持ちで無言で降りて行く。

やっと底に着いたようで、階段右側はやたらと開けている広い洞窟のような場所の奥。


 何か・・・薄くぼんやりとしたものが見える。




   あれは・・トカゲか?デカい・・・・



 その姿がハッキリと見える所まで来た時、王子が立ち止まる。


 王子「皆、準備は良いか? オリクト!ルア、ユナム!頼りにしている!」

オリクト「ええ!いつでも、行けますよ!」

 ルア「私も万全です!」

 俺もすかさず「俺も大丈夫です!」


 全員の力強い意思を感じ取り、王子はおもむろに剣を抜き構える。

 その瞬間の一瞬の寒気のような感覚と武器を構える俺たち。



 儀式・・・と言う名のアルシュ山・固有種リザード

    シ ュ タ イ ル ハ ン グ との戦いが 始 ま る ! !


 

【アソオス城下町】街を上空から見下ろすと、建物の並びが守護魔法陣と同様になっている。これにより、大気温の変動に左右される事なく、魔物も寄り付かないので安心・安全な生活が出来ている。土地柄、褐色・黒髪が多い。


[アソオス国ギルド]受付を含む従業員が全て男性という特殊なギルドとして、有名だが・・ギルド長が女性を怖がってる為とかなんとかいうウワサがある。


[魔法基軸] 通常の魔法行使の際に出る”魔法陣”の仕組みを解明し、それを軸に人工で魔力を消費しない魔法陣を作り出す。人工魔法陣により異空間に部屋のコピーを大量に生み出し、ギルド証を経由して異空間に安定して存在させれるという技術。


[魔道具・モアノー](モアノーは、フランス語でスズメ)

ギルドで売ってる魔道具のひとつ。

女性の掌にも収まる形の小さなグレーの鳥の置物。消耗品。

・使い方→助けて欲しい人や場所を言いながら、地面に投げつける。すると割れて中から光る小鳥が飛び出し、壁も何もかも素通りして目的地まで飛び、救援要請出来るアイテム。


炎竜(えんりゅう)の正式名】※アソオス王子のグループ名

 バーゼルド (熱い重い響き)というアソオス国の黒龍の名前に近いモノという理由で選んだらしい。


[土地固有・転移魔法陣] 基本的に城の特殊な扉の先にある、転移魔法陣。

龍の加護によるモノの為、基本的にはその国の住民・貴族・王族のみ使用を許可されている。ただし、例外で王族が許可した場合のみ、他国の者でも使用可能。なお、城の中へ入る許可のある者のみ使用出来る為、好き勝手に使えるモノでは無い。


[光の初期魔法・ボー](※ボーは、フランス語で晴れ)

消費MP1程度の魔法。周囲を明るく照らす初期魔法。魔力ある者なら問題無く、誰でも覚えて使える。


[マズラーの里](※マズラーは、アラビア語で農場という意味)

この里が出来た頃は洞窟を通り、出来た作物を王都へ運ぶといった事もしていたが、今は惑いの洞窟になった為に、竜騎軍が作物を受け取りに年1で来るようになっている。

儀式が行われると宣言されるよりも前に、その入口が開くという。ただし、入れるのは王族の血を持つ者とそのグループメンバーのみ。結界に阻まれ、それ以外は何者であっても入れない。

儀式に関しては、里長が口伝で伝えてるだけで、他の里の者は知らない。ただし、里長によって語られてる話が浸透している為、儀式と言えば何と答えられるようになっている。



 いよいよ、アソオス国での儀式がスタートする。

無事、賢王としての力を示し、証を手に入れられるのだろうか?!


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