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団子食べたい  作者: 社容尊悟
1本目

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15/65

傷つけるくらいならいい、その代わりやり返す

 だったら、汚い部分も受容しなくちゃならない。

「お前は俺を殺したいと思ってんの?」

「違う。殺したいとは思ってない」

 テルは焦ったような表情で思いっ切り首を振った。

 ふうと壱は息をつく。

「傷つけるくらいなら、俺はいいよ。でも、他のやつにはするなよ。家族にもやっちゃいけない。相手が訴えなければ犯罪にはならないと思うなよ。ばれなきゃ何やってもいいってんなら、この世は無法地帯だ。暴力を振るうこと自体が犯罪なんだから。今の間なら、怪我させるくらいはできるだろ。それでお前の気がすむんならな」

「……壱は、気持ち悪いくらいにいいやつだな」

 壱は暗い顔をして、拳を鳴らした。

「その代わり、俺もやり返すから」




 壱とテルは床に仰向けに寝転がって、荒い息を漏らした。

 二人が殴り合いを始める頃には、クラスメイトは全員帰っていた。

 帰るのを見計らってやらなければ、教師陣に言いつけられていたかもしれなかったからだ。

 見回りにくる教師もいたので、喧嘩は中断させられたりもしたが。

 二人がストレスの発散に喧嘩を終えたら、この有様だ。

 机や椅子はぐちゃぐちゃになって、壱とテルもボロボロになった。

 片づけるのが面倒なくらい、汚くしてしまい、埃も立っていた。

 でも、それ以上に収穫はあった。


 顔中傷だらけで痣だらけになっているテルは、清々しい顔をしている。

「壱と渡り合えるなんて、オレもまだまだいけるなー」

 壱もテルと同様に顔中痣と傷だらけ。

 この光景を教師陣に見られていたら、何と言われていたことか。

 探偵業も廃業にさせられていたかもしれない。

(守れたかな……。俺のこの力で、こいつの心を)

 壱は何とも言えない、すかしたような顔をして、吐くように言った。

「何言ってんだよ、加減してるに決まってんだろ」

「負けず嫌いだな……」

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