テルは二重人格?
「そーだった……」
それでも尚無邪気に笑っているテルに、壱は頭を抱えた。
放課後、壱はテルの長話に無理やり付き合わされた。
どっぷりと日も暮れている。
クラスメイトはちらほらと残っているが、こちらの話に耳を傾けるはずもなく。
二人は普段はあまり近寄らない黒板の近くにいた。
近寄らない理由は、粉っぽいから。
壱は気難しそうな顔をして後頭部をかいたあと、独り言のように感想を言った。
「……まあ、人ってそういうもんだよな」
「そうだな。興味がなくなったら、途端にどうでもいい存在のように思えてくるもんだ。繋がりって、薄いよな。悲しいことに」
「田舎もんの俺に言われてもなー……」
呆れ返ったように言うと、テルはふっと物憂い笑みを浮かべた。
テルは教卓に背を預けて、壱に語りかける。
テルの顔は、夕日の光を浴びていた。
「……壱は、オレみたいにはなるなよ」
「……は?」
「壱はいつまでもまっすぐなやつでいてくれってこと」
テルは恥ずかしそうに、はにかんだ。
壱はちょっとだけ意味深だと感じ取る。
「それって、お前が捻くれてるってことか?」
「まー、そうなるなー」
「茶化さないで、正直に答えろよ」
壱が促すと、テルは視線を落として話した。
「オレは、悪戯すんのが好きだ。壱からかうのも、みんなと遊んだりすんのも好きだ。でも、オレは何か違うんだよ。心のどっかで、それを嘲笑ってる自分がいる気がするんだ。それが本当のオレじゃないのかもって思ったりするんだ。オレって、何なんだろな」
「それは俺にもわからないな」
「だよな」
「で、結局は何が言いたい?」
「オレって二重人格なんかなーって思って、相談」




