10/29
紅
揺るぎない紅が俺を虜にする
拾いなさいわたくしを
さあ跪いて
俺は刹那 紅を凝視する
堕ちてしまった紅
生々しく俺を睨んだ
ならば踏んで差し上げよう
カラカラと北風が憂いをすくい 路頭に隠した
見上げれば 枝の隙間から空は冷たく澄む
鎮痛剤が効いてきたのか
痛みは気怠さに化している
足取りは重く
それでも次を破壊する
次は絶え間なく止まらない
戦士で有り続ける宿命
俺は次を突き刺しながら突き刺さっていく
立ち寄ったファストフード店
コーヒーを飲みながら
バーガーを食いながら
眠りこけてしまった午後の不覚