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もうすぐ生後1年です。

頑張ろうと思ったものの肝心のどうやったら魔力を感じることができるかに1週間手間取り、やっと感じた魔力で水魔法でチョロチョロ水を出したら赤ちゃんナウな今の僕の涙くらいの量しか出ないというショボさに凹みながらも色々やり続けて1年たちそうです。つまりは僕が生まれてから1年くらいです。


どれくらいで喋ったり歩けるようになるのがこの世界の赤ちゃんの普通なのか分からなくて、たぶんもう喋れるけど『あー、うー』しか言ってません。もしかしたらこの世界は成長が早いかもしれないけど…だって兄さんまだ5歳くらいだけどほとんど何でも出来るよ?この前料理長と笑いながらなんか豪華な料理を作ってたし。普通に包丁握って玉ねぎをみじん切りにしたり魚を捌いてたりするよ?前世の僕は中学生まで生きたけど料理苦手だったけどなぁ…


母「ナイアはよくキィを見てるわよね〜。キィも暇さえあればナイアの所に行こうとするし…キィが私にくっついてすりすりしてくれたのってナイアがお腹にいる時だけだったわねー。ちょっと兄弟仲が良すぎてお母さん嫉妬しちゃうわ」


ただいま、僕は目を瞑って寝たふりをしながらお母さんに抱っこされてます。お母さんとメイド長が何やら話し始めました。


メイド長「奥様…キィ様がくっついてくるの嬉しかったんですか?ナイア様を妊娠してる時のキィ様の行動って奥様のストーカーと化していて怖いと思っていたのですが。」


母「えー、だってキィったら周りが言ってたように赤ちゃんのお世話は大変だと思ってたのに、全然手がかからない子だし何が欲しいとかも『薬草を育てる場所が欲しい』だったし…

あまりに良い子過ぎて叱ることも少ないからどう関わっていいかいまいちわからなかったのよ。キィを1人にしても私の所に来ないし寂しがる様子もないし…

何はともあれ キィが私の所に必死な感じで来てくれるのが嬉しかったのよー!」


メイド長「ああ、何だか必死な感じでしたよね。放っておいたらお腹の中の赤ちゃんが死んじゃうと思ってるんじゃないかと疑って見てました。」


ふぁっ!?


母「もしかしてあれかしら、ナイアを妊娠してるのに気づくのが遅くて、フタマ先生に指摘されるまでキィのお稽古に付き合って剣を持ったりしてたからかしら?」


えっお母さんも剣の試合するの?


メイド長「ただ単にキィ様が心配性なだけな気もしますが…もしかしたらそうかもしれませんね。

ほとんどお腹も出てない状態でしたので気づきませんでしたけど…キィ様少し前から奥様が料理をしようとしたり剣を持ったりすると怒ってましたもんね。本人も何故怒ってるのか分かってなかったですけど。」


そうなの?兄さん僕が生まれる前からそんなに僕のこと大事にしてくれてたの…う、嬉しい//


母「ナイアはもっと甘えてくれるかしら?『絵本読んで!』とか『抱っこー!』とか色々やってあげようと思ってたのにキィったら全っ然言わないから寂しいのよ。ナイアはお母さんベッタリになればいいなぁ。」


メイド長「・・・・きっとキィ様がナイア様にベッタリ過ぎて、ナイア様もそれを嫌がるタイプじゃない感じなのでキィ様ベッタリになりそうですね…」


母「でもでもでも、あとちょっとしたらキィは学校に行くじゃない。私もキィに会えないのは寂しいけど、その間にナイアといっぱい接するのよ!」


メイド長「学校、遠いですからね。帰ってくるのは1年間で30日あるかどうか・・。それが10年以上…王都に近い所じゃないですし転移の魔法は難しくて使える人を雇うのも高いですからね」


そんな…!


ナイア「キィ にいしゃ いあいの?(*´・ω・) いっちゃうの?あえあい?」

《キィ 兄さん いないの?(*´・ω・) 行っちゃうの?会えない?》


母・長「!!!!? ナイア(様)が喋ったーー!」


ダダダダダッ


キィ「何なにナニ!?なんかナイアに重大なことが起こった気配がしたけど何かあったの!?」

ナイア「キィ にいしゃ」

キィ「!!!?? ナイアが!僕の名前を!にいしゃって!声に出してる!! やっぱりナイアは天使に違いない!

ナイアーナイアーナイアー+゜。*(*´∀`*)*。゜+どうしたのー」


目にも止まらぬ早さでお母さんの腕の中から兄さんの腕の中に移動させられた後、とけてるんじゃないかと思うほどふにゃっとした笑顔を向けられた。


ナイア「にいしゃ いっちゃうの」

そりゃ学校に行かなきゃだろうから行っちゃうよね…もう毎日おはよう・こんばんは・おやすみって1番に言ってくれる兄さんは・・ナイア大好き(≧∇≦)って何度も何度もたくさん僕に笑顔で好きって僕が生きてて嬉しいって伝えてくれる兄さんは、いなくなっちゃうんだ……あ、涙出てきた。まだ生後1年だからビービー泣いちゃう。赤ちゃんだからって思ってくれるといいんだけど…


キィ「ふぁっ!?ナイアが泣いてる!僕がいなくなるから泣いてる!

母さん一生のお願い!ナイアが学校に行く年になるまで僕も学校に行かないでナイアと家にいる!

おーねーがーいー!」

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