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第98話 「崩しの兆し」

外。


 配置につく。


 昨日と違う。


 一点じゃない。


 複数。


 距離を保ちながら。


 同時に動く。


「……行くぞ」


 悠真が言う。


 短く。


 全員が動く。


 同時に。


 侵食体が反応する。


 地面が歪む。


 だが。


 追いつかない。


 処理が遅れる。


「……いいぞ!」


 蓮斗が言う。


 手応え。


 確実にある。


 屍影が動く。


 だが。


 散る。


 まとまらない。


 統制が乱れている。


「……崩れてるな」


 白峰 蓮が言う。


 冷静に。


「完全じゃないが」


「遅れが出ている」


 それだけで十分。


 今までと違う。


 明らかに。


 その時。


「ぴー!」


 ぴーちゃんが言う。


「今!今いける!」


 悠真が踏み込む。


 境界ギリギリ。


 そして。


 さらに一歩。


 昨日より。


 確実に前。


 石を置く。


 その瞬間。


 屍影が大きく下がる。


 今までで一番。


 距離が開く。


「……押してる!」


 蓮斗が叫ぶ。


 初めての感触。


 “崩れ”。


 だが。


 その時。


 空気が変わる。


 重い。


 圧。


 奥から。


 ゆっくりと。


 出てくる。


 重殻。


 あの大きいやつ。


 昨日より。


 さらに前。


 境界ギリギリ。


 いや。


 “越えようとしている”。


「……っ!?」


 蓮斗が声を上げる。


「おい、あれ!」


 重殻が。


 境界に触れる。


 一瞬。


 止まる。


 そして。


 踏み出す。


 ほんの少し。


 だが。


 確実に。


「……越えた?」


 白峰 蓮が言う。


 驚き。


 初めて。


 敵が。


 境界を越えた。


 その瞬間。


 空気が歪む。


 今までと違う。


 ルールが。


 揺らぐ。


「ぴー!やばい!」


 ぴーちゃんが叫ぶ。


「それ、普通じゃない!」


 重殻。


 ゆっくりと。


 こちら側へ。


 圧が増す。


 明らかに。


 強い。


「……下がるぞ!」


 悠真が言う。


 即断。


 全員が動く。


 距離を取る。


 その瞬間。


 重殻が止まる。


 それ以上は来ない。


 境界ギリギリ。


 そこに立つ。


 そして。


 こちらを見る。


 動かない。


 だが。


 明らかに。


 “違う”。


「……なんだよ、これ」


 蓮斗が言う。


 理解できない。


 その時。


 白峰 蓮が言う。


「……例外だ」


 短く。


「ルール外の存在」


 つまり。


 今までの前提が。


 崩れ始めている。


 その時。


 ぴーちゃんが小さく言う。


「……あれ、押してきてる」


 全員が見る。


 重殻が。


 ほんの少し。


 前に出る。


 境界を。


 押すように。


「……やべぇな」


 蓮斗が言う。


 笑えない。


 その時。


 悠真が言う。


「……でも」


 全員が見る。


「こっちも押してる」


 石を見る。


 さっき置いた位置。


 確実に。


 前にある。


 つまり。


 押し合いは。


 続いている。


 その中で。


 初めて。


 崩れが見えた。


 だが。


 同時に。


 新しい脅威も出た。


 その理解。


 重い。


 その時。


 悠真が小さく言う。


「……ここからだな」


 確信。


 この戦い。


 本当に始まるのは。


 ここから。


 崩しは始まった。


 だが。


 同時に、崩される危険も始まった。



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