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第94話 「繰り返しの意味」

同じ場所。


 同じ時間。


 同じ動き。


 外。


 境界の手前。


「……ここだな」


 悠真が言う。


 昨日と同じ位置。


 少しだけ前。


 石。


 昨日置いた目印。


 そこが。


 “前回の限界”。


「……一歩、いけるな」


 白峰 蓮が言う。


 侵食体の動きを見る。


 広がる速度。


 範囲。


 止まる位置。


 全部。


 読めている。


「……昨日より遅い」


 蓮斗が言う。


 違和感。


 だが。


 確信に変わる。


「慣れてきたな」


 小さく笑う。


 悠真が一歩踏み出す。


 昨日より。


 ほんの少し。


 前へ。


 その瞬間。


 地面が動く。


 侵食体。


 だが。


 予想通り。


 止まる。


 ギリギリ手前で。


「……いける」


 悠真が言う。


 確信。


 そのまま。


 石を置く。


 新しい目印。


 ほんの一歩。


 だが。


 確実に。


 広がった。


「……これで二歩目だな」


 蓮斗が言う。


 軽く。


 でも。


 どこか嬉しそうに。


 その時。


 屍影が現れる。


 数体。


 だが。


 やはり。


 突っ込んでこない。


 距離を取る。


「……完全に分かれてるな」


 白峰 蓮が言う。


「境界を越えた瞬間だけ攻撃」


「それ以外は監視」


 ルールは変わらない。


 つまり。


 積める。


 その時。


「ぴー!」


 ぴーちゃんが言う。


「回復も問題なし!」


 範囲確認。


 安全。


 その一言で。


 全員が少しだけ安心する。


 その時。


 悠真が言う。


「……もう一回やる」


 繰り返す。


 同じ動き。


 同じ手順。


 一歩進む。


 止まる。


 石を置く。


 また一歩。


 少しずつ。


 確実に。


 時間が過ぎる。


 だが。


 焦らない。


 急がない。


 その時。


「……これさ」


 蓮斗が言う。


「戦いって感じしねぇな」


 正直な感想。


 白峰 蓮が答える。


「戦いだ」


 短く。


「ただし」


「勝ち方が違う」


 悠真も頷く。


「削る戦いだ」


 少しずつ。


 確実に。


 相手の領域を削る。


 その結果。


 自分たちの領域が広がる。


 その時。


 ぴーちゃんが小さく言う。


「……これ、いやがってる」


 全員が見る。


「屍影……ちょっとだけ下がってる」


 確かに。


 距離が。


 ほんの少し。


 だが。


 変わっている。


「……効いてるな」


 悠真が言う。


 確信。


 このやり方。


 間違っていない。


 その時。


 奥。


 重殻。


 大きい個体。


 変わらず。


 動かない。


 だが。


 視線。


 圧。


 明らかに。


 “意識している”。


「……見てるな」


 蓮斗が言う。


 悠真が小さく頷く。


「見せてるんだよ」


「こっちのやり方を」


 白峰 蓮が言う。


「つまり」


「次は対策される」


 その一言。


 空気が少しだけ重くなる。


 分かっている。


 このままでは終わらない。


 それでも。


 止まらない。


 積み続ける。


 その一歩。


 その意味。


 それは。


 ただの繰り返しじゃない。


 “前進”。


 確実な。


 積み上げ。


 その先に。


 突破がある。


 だから。


 止めない。


 繰り返しは、無駄じゃない。


 それは。


 勝つための形だった。



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